６月半ば、いま秋風先生にハマっています。
ＮＨＫの朝ドラ『半分、青い。』で豊川悦司さん演じる漫画家・秋風羽織先生のことです。漫画家を目指すヒロイン鈴愛の師匠で、コミカルな変人キャラで登場したのに、その中身はとても熱く、漫画と漫画を描くことへの愛と哲学と矜持に満ちた人。
プロを目指しているとはいえ、まだハタチそこそこのヒロインに対し、作り手伝え手になるために必要な意識や、プロとしての在り方を真っ正面から説くんです。
「リアルを拾うんだ。」
「心を動かされることから逃げるな。そにには、真実がある。」
「半端に生きるな。創作物は人が試される。その人がどれだけ痛みと向き合ったか？喜びを喜びとして受け止めたか？」
「創作は…物語を作ることは自身を救う。物語には人を癒すチカラがあるんだ。」
･･･などなど、いつも唐突に出てくる秋風先生の創作論が、熱く、ストレートで、どこまでも本質的で、深く共感しています。
技術やテクニックで、人の心は動かせない。
自分自身がどう感じたか、どこに針が振れたかの“実感”がなければ、伝わらない。
ほぼ、それだけを信じてテレビを作っていますが、この”実感”というコトバをボクに教えてくれたのは、俳優の山﨑努さんです。３０代後半、半年以上山﨑さんと一対一で向き合うという、いま思えば幸せこの上ない仕事で、日々呪文のように唱えらていました。あれから１０数年、いまボクも、サラメシの若いスタッフに面倒くさがれながらも、呪文のように唱えている気がします。オトナの役割りって難しい…。
（松葉直彦）

【今月の放送】

シーズン８　＃１３　9月11日（火）20:15～20:43／再放送9月13日（木）12:20～12:43、17日（月）午前4:30～5:00
野口五郎さんの楽屋ランチ▽記録的猛暑となったこの夏、働くオトナたちはランチに何を食べているのか？東京の街角で聞いてみた▽19歳で単身渡米し、母直伝の焼肉ダレを売り、アメリカ全土に展開する企業グループを率いるまでになった「アメリカのソース王」のランチと人生の極意に迫る▽1キログラムの重さの世界基準を決める国際会議が開かれた。そこに参加した“測定の権威”が愛するランチの中身を拝見。

シーズン８　＃１４　9月18日（火）20:15～20:43／再放送9月20日（木）12:20～12:43、24日（月）午前4:30～5:00
城田優さんのレコーディング本番前ランチ ▽岩手・雫石町の高級機械式腕時計メーカーに父子で勤める時計職人を取材。神経をすり減らす繊細な作業を支える愛妻弁当の中身は？ ▽さらに充実の時計メーカー社員食堂も拝見！ ▽300年前から人々に愛される鹿児島・指宿市の砂むし温泉。40度を越える高温の中で働く砂かけ係のみなさんのランチタイムをお弁当ハンターがのぞき見！

シーズン８　＃１５　9月25日（火）20:15～20:43／再放送9月27日（木）12:20～12:43
D-51のレコーディング前ランチ▽放送61年目を迎えた「NHKテレビ体操」スタッフのサラメシを取材。この道21年の講師や、体操を実演するアシスタントたちが楽しみにする昼ごはんとは？▽京都で寺社や古民家の屋根上で作業する瓦ぶき職人たち。真夏は50度以上になるという過酷な現場での仕事を支えるおにぎりとは？▽作家・内田康夫が愛した軽井沢の冷やしとろろそば。