食彩の王国 2017年2月

食彩の王国 2017年2月

永六輔さんは、常に批判精神を秘めた独特の表現と活動で、サブカルチャーをメインカルチャーに押し上げた人だ。また、話して聴かせる表現を好んだ。古来、情報は語ることが中心だった。浅草の浄土真宗の寺に生まれた永さんは、大衆的な説教を聞いて育った。それが、現代の語り部として生きることに向かわせたのだろう。永さんがラジオに情熱を傾けてきたのも頷ける。そして、真面目なことを言う気恥ずかしさを、ジョークのオブラートで包んできた。全国各地で小さなお話の会を開き、風刺やユーモアで世相を語る姿は坊さんの辻説法そのものだった。
永さんは、テレビに出るタレントが物を食べて、「美味しい!」と言うのを嫌っていた。自分でも、旅先で物を食べるシーンがあると、「食べるところは撮らないで!」と言っていた。そのかわり、その裏側でどんな努力が払われたかを克明に語り、持ち味を伝えようとしていた。あるいは故事来歴によって、目の前の食べ物を浮き彫りにした。
放送14年目に入った「食彩の王国」は、食材を通じて紡ぐ日本人論だ。食べるシーンを使わないのは、永さんの影響も大きい。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    OA日     テーマ    担当D
#665 2月 4日 : 生ハム    河野あや子
#666 2月11日 : 牡蠣     ※VIVIA
#667 2月18日 : マグロ    細村舞衣
#668 2月25日 : スケソウダラ ※VIVIA 

2月のテレビマンユニオン 担当回は・・・ 

『生ハム』
世界に誇るメイドインジャパン。最近、そんな言葉をよく耳にします。それが、生ハムの育風堂です。
ご存じない方のために、少しだけ企業情報を育風堂は、群馬県のみなかみ町にある精肉店。
ハムやソーセージなど、手作りの加工品も販売していますが、こちらの主力商品は、なんと言っても生ハム。
「国産」の生ハムと聞くと、あまりいいイメージがないかもしれませんが、
「本場、イタリア・スペインにも負けてない」と、一流シェフもお墨付き。いったい、工房にはどんな秘密が隠れているのでしょうか。
今回は、恐らく近年の「食彩の王国」では初めてであろう、モザイクの向こう側をちょっとだけお見せします。
「ハム食べたい」と歌ったのはくるりの岸田繁ですが、芳醇な香り漂う部屋に整然と吊るされた、うす紅色のもも肉…。
そんな姿を見れば、きっと、ほおばってあげたくなるはずです。
(鴨下満)

『マグロ』
日本人が愛してやまない魚、マグロ。
那智勝浦で揚がる近海で大きく育ったマグロは今が旬です!庶民のマグロとして関西で愛されてきたキハダマグロ。
あっさりとした味わいの身を余すことなく使いきる料理がありました。
そして、日本最古の祭「お燈祭」では身を清めるため白い物しか口にしてはいけないしきたり。
しかし、そこで唯一、ビンチョウマグロだけは食べることが許されています。果たして、その秘密とは?
さらにマグロで作った生ハムの新たな料理の開発に密着!
一体、どんな料理が生まれるんでしょうか?どうぞオンエアでお確かめください!
(間宮圭次郎)

プロデューサー

土橋正道

アシスタントプロデューサー

平田早季

ディレクター

前夷里枝
植田裕久
河野あや子
田中由美
細村舞衣
永田暁児
橋本倫
阿部賢実
岸元美江

リサーチ

北口由子

アシスタントディレクター

鴨下満
間宮圭次郎