食彩の王国 2018年3月の放送

食彩の王国 2018年3月の放送

 「食彩の王国」のプロデューサーなら、美味しい店をたくさん知っているでしょ?と、よく聞かれる。知らないと言うと相手はいぶかしむが、ほとんどどの店にも行ったことがない。名だたる料理人の方々には、番組でお世話になるばかりで済みません。
 「食彩の王国」は、放送700回を超えて15年目に入った。生産者の熱意や、愛情、伝統料理の知恵、また西洋料理との融合。やがて食材が浮き彫りになり、火が温め、調味料が加えられ、料理されていく過程そのものが味わいとして視聴者に届けられる。
 それを可能にしてくれたのは、薬師丸ひろ子さんのナレーションだ。録音二日前に渡した原稿を、誰にでも優しく届ける表現に読み込んでくる。日本語を大切に、丁寧な言葉遣いで話す。録音前には、必ず本人を含めて言葉遣いの修正をする。
 次に、若いデイレクターたちの熱意だ。ADを1~2年経験すると、ディレクターデビューする。そして二年ほど経つと、別番組に巣立っていく。駆け出しのディレクターが、ベテランに負けじと新鮮な目で調査し、現在を生きる目線で食材に取り組む。その新陳代謝がエネルギーを生んできた。
 そして、いつの頃からか台本を薬師丸さんに届けるとき、取材中の思いや編集の苦労をしたためた手紙を同封するようになった。アナブースでそっと慰められているディレクターもいるほどだ。
 自分がディレクターの頃は、料理店にはテレビの取材と告げずにまず食べに行った。食べて味わい、店の日常を見てから、改めて取材のお願いをする。それを鉄則にしていたので、今は用がなければ有名店にも行かない。早く家に帰って、40年ほど連れ添った妻の手料理で一杯やりたい。家庭の味わいを大切にするというのも番組の柱なので、料理人のみなさんごめんなさい。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    O.A.   テーマ               担当ディレクター 
#718 3月 3日 タチウオ                ※VIVIA  
#719 3月10日 東京地産地消SP(6)「東京エックス」  細村舞衣
#720 3月17日 タケノコ                ※VIVIA
#721 3月24日 蛤(ハマグリ)             鴨下満
#722 3月31日 駿河湾の魚介              ※VIVIA

3月のテレビマンユニオン担当回は・・・

#719 地産地消SP・畜産
三国シェフが挑む地産地消スペシャルから今回で最終回。ターゲットはかねてから熱い視線を注いでいた東京産の豚"TOKYO X"。
和牛とも見紛うような霜降りの豚、その秘密を解き明かすために三國シェフが東京中を珍道中!TOKYO Xに合わせる神秘の食材にも出会います。TOKYO Xと神秘の食材が「最後の晩餐に食べたい」と話す料理に大変身!2020年に迫った東京オリンピック・パラリンピックへの総仕上げとなる「三國流最後の晩餐」、必見です!
(島越翔平)

#721 蛤(ハマグリ) 
古くから縁起物として重宝されてきたハマグリ。二つの殻がぴたりと重なるその姿は仲睦まじい夫婦を想像させる。
海外の観光客に愛される割烹の名店”伊勢すえよし”の主人田中さんは、そんなハマグリの名産地の三重出身。桑名のハマグリを海外の人に知ってもらいたいと言う思いを胸に、桑名に帰郷して新たなハマグリ料理を模索していく。そんな田中さんを支えるのは妻の麻里さん。二人のアイディアから生まれる料理は一体どんなもの?円満夫婦が織りなす桑名発のクールジャパン、必見です。
(間宮圭次郎)

プロデューサー

土橋正道

アシスタントプロデューサー

平田早季

ディレクター

細村舞衣
植田裕久
河野あや子
田中由美
鴨下満
間宮圭次郎
橋村知曉
橋本倫 
前夷里枝
徳丸あす香

アドバイサー

吉田夕日

アシスタントディレクター

鴨下満
間宮圭次郎
島越翔平