食彩の王国 2018年5月の放送

食彩の王国 2018年5月の放送

食べるものでは、何が一番好き? 肉、それとも魚、野菜?と聞かれても困る。美味しさは食べ物にあるわけではなく、料理法や、食べた時に感じる舌とのマッチングによって決まるからだ。味覚は、おふくろの味によって刷り込まれる。卵焼きや味噌汁、肉じゃが、カレー、漬物など、幼少期に味わったものを思い出させる料理には自然に心が動く。また、何かの祝いに親しい人と食卓を囲むのか、たった一人で味わうのか、苦労の末に手に入れた獲物を食べるというような特別さにも左右される。歳をとれば美食ではなく、懐かしい食べ物に惹かれるのはそのせいだ。食べ物そのものは、全て先人たちの知恵や努力の結晶なので、それぞれに持ち味があって味わい深い。肉や魚の美味しさは、主に脂の旨みだ。肉で言えば差しがあり、魚は脂が乗っているという。脂身が肉と一緒に咀嚼される時、旨いと感じるのだ。そのような感覚を視聴者と共有することで、「食彩の王国」が見えてくる。これからも、食材と人のおいしい関係に分け入りたい。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    O.A.   テーマ        担当ディレクター 
#727 5月 5日 初夏の湘南食材物語    鴨下満  
#728 5月12日 アスパラガス       ※VIVIA
#729 5月19日 新じゃがいも       間宮圭次郎
#730 5月26日 白えび          ※VIVIA

5月のテレビマンユニオン担当回は・・・

#727 初夏の湘南食材物語
風薫る、初夏の湘南は食材の宝庫。
潮風を浴び育まれる色とりどりの三浦野菜に、発酵した穀物や米を食べて育つ、葉山牛。
良質であっさりとした脂が特徴で流通が少ない幻の牛肉です。
さらに鮮魚がたくさん揚る佐島の漁港では、一人の男性に出会います。
妻と共に二人三脚で歩んできた、昔ながらの行商を現在も営む福本さん。
しかし、昨年妻の育代さんは急逝し、残されたのは彼女が家族や客の為にしたためた数々のレシピでした。
そんな育代さんの愛情がたっぷり込められたレシピをヒントに、湘南出身のイタリアンシェフが新作料理に挑戦です。
(中村朱里) 


#729 新ジャガイモ
初物好きの日本人の心を浮き立たせるのは、世界中で愛される“新じゃが”。
じゃがいも料理はとても奥が深く、その歴史を辿れば世界史を理解できるほど。
そんな人類の叡智が詰まったじゃがいも料理にひときわ思いを込めるシェフがいる。
イタリアンの達人、濱崎龍一シェフが忘れられないのはポテトサラダ。
母との思い出が詰まったその味をイタリアに修行に行く息子に伝授したいという。
「母の味だけど、同時にこれは妻の味かもしれないなぁ…」と、はにかんで話すシェフ。
そう、家族で囲む食卓にはいつもじゃがいもがありました。
(島越翔平)

プロデューサー

土橋正道

アシスタントプロデューサー

平田早季

ディレクター

細村舞衣
植田裕久
河野あや子
田中由美
橋村知曉
橋本倫
徳丸あす香
鴨下満
間宮圭次郎

アドバイサー

吉田夕日

アシスタントディレクター

島越翔平
中村朱里