テレビマンユニオン リクルート2020 | TV MAN UNION RECRUIT2020
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岩垣 保

ディレクター & プロデューサー 岩垣 保

1972年、テレビマンユニオンに参加。「遠くて行きたい」でディレクターデビュー。
その後、ドキュメンタリー、CM、「なるほど・ザ・ワールド」などのディレクターを経て、1986年「世界ふしぎ発見!」にプロデューサー、ディレクターとして初回から参加。
その他、「情熱大陸」など制作。


「世界ふしぎ発見!」
1500回を迎えます。

2019年4月で、「世界ふしぎ発見!」は34年目に突入します。最初からかかわったプロデューサーとディレクターは、もう4人だけです。その一人が私で、行った国が100を越えたのは、ミステリーハンターの竹内海南江さんと私しかいません。「歴史と遊ぶ」というのが、始まって以来変わらない、番組コンセプト。地球の歴史45億年、人(ホモサピエンス)の10万年、文明が誕生して5000年、その時間の旅をして、世界を巡る、そこで得たものは、計り知れません。人間は、過去から歴史から学ぶ以外にデータをもっていないのです。すべての知恵は、そこから生まれてきます。
エジプトのピラミッド、イラクのメソポタミアのウルなどの遺跡、シリアのパルミラ、イスラエルのゴルゴダの丘、嘆きの壁、ヨルダンの死海、トルコのカッパドキア、ギリシャのパルテノン神殿、イギリスのストーンヘンジ、フランスのモンサンミッシェル、アメリカのグランドキャニオン他多くの国立公園、メキシコのテオティワカンのピラミッド、などなど、実に世界遺産の半分以上は訪れています。その中でもとっておきの体験をお話ししましょう。

一つ目は、ベネズエラとブラジルにまたがって存在する、ギアナ高地。
コナン・ドイルの「失われた世界」で有名になって、冒険好きの人々の憧れの地。いくつものテーブルマウンテン、そして世界一高い滝エンジェル・フォール。乾季に行ったので、滝は、水が少なく、大変な苦労をして滝つぼに行ったら、滝が途中で、霧になってしまっていた。そしてハイライトは、テーブルマウンテンの上にできた円錐状の穴。直径300mから100mほどのものまで、その二つに入ったが、ヘリコプターが着地できないので、縄梯子にぶら下がって一人ずつ運ばれる。竹内海南江さんは、そんな危険な時も、笑顔を絶やさず、楽しげに飛んで行った。穴に入って驚いたのは、その穴だけで、環境が穴の上と違っていることでした。その中で、一夜を過ごして、穴の中を回ってみた。見たこともない昆虫や植物。さらに驚いたのは、一番有名なテーブルマウンテン、アウヤンテプイの頂上へ行った時でした。無数の水晶が集まる場所、一体どうして出来たのか分からない不思議な石の文様のある洞窟。
しかし残念ながら、ギアナ高地は、行くのが大変なので、学者の研究が全然間に合っていないのです。ですから、謎ばかりが残ってしまうのです。

二つ目は、アフリカのアルジェリアにある、タッシリ・ナジェール。
サハラ沙漠の真ん中あたりに、広大な高地があります。標高2000m、雨が一滴も降らない乾燥した岩だけでできた土地。今の時代だから、車で台地に行けると考えていたら、甘かった。岩山を自力で上がって行かなければならないのです。およそ8時間かかって、やっと台地の上へ。雨が降らないのでテントもなく、岩陰にマットを敷いて毛布にくるまって寝るだけ。食事は、トアレグ族のコックさんが付いてくれて、水もない場所で美味しい料理を作ってくれました。
毎日炎天下の岩の台地を20キロ歩いて取材。5日間で100キロ以上歩いた。初日脱水症状になって少々危険な状態にもなりました。では、何を取材に行ったのかと言いますと、500キロにわたる台地に、数万という壁画があるのです。それも1万年前から5000年前まで描かれたもので、この土地の環境の変化が全てわかるというもの。この乾燥の台地は、1万年前は、緑に溢れ川が流れていたのです。ライオンやカバ、ゾウ、などの絵があるのです。それが、牛の時代、馬の時代、ラクダの時代になっていくのです。それは、サハラ沙漠が、まさに砂漠化していく過程を見ることができるのです。そして中には、宇宙人じゃないかとも言われる、白い巨人の像があります。不思議な貴重な人類の財産。ところが場所がアルジェリア、今日のような世界情勢では、とても取材には行けません。私たちの取材は、世界の政治情勢に大きく左右もされます。最近残念なのは、30年前に比べて、本当に安全に行ける場所が減っていることです。

三つ目は、そんな中でも成功させたギザの大ピラミッド初登頂の快挙です。
新進気鋭の考古学者河江さんと竹内海南江さん、お二人は、大ピラミッドの石を一個ずつ高さを測りながら登ったのです。ピラミッドの石の高さを測ったのは、過去に二人だけ。100年前にイギリスの考古学の先駆者フリンダーズ・ピートリー、それから60年前にフランスの考古学者、ということは、日本では最初の挑戦だったのです。5時間かかって遂に登頂成功!快挙でした。コーディネイターの粘り強い交渉が実を結んだ結果でした。ピラミッドを正確に測り、映像に撮って解析していく、そこから、ピラミッドの作り方に迫って行くのです。行って珍しいものを取材して見せることから、取材と研究のコラボレーションで、新しい発見を行う、そういう時代になってきました。

33年というゴールデンタイムのバラエティ番組としては信じられない長さですが、実は、常に番組は変化し続けてきました。家族団欒での視聴の時代には、番組のスタジオ出演者をファミリーのように捉えました。ところが、時代は、個人視聴に変わっていきました。そこで、出演者たちを個人同士が対抗するように捉え直したのです。さらに少し以前には考えられなかったアンチエイジング、ダイエットという現代的なテーマにも取り組むようにしました。時代は常に動いています。近年そのスピードが増しているように思います。私たち作り手は、作ることが大好きです。ところが、好きなものを作っていればいいという幸福な時代は終わった、というよりもなかったのです。見ている人が見たいものを!あるいはもっと見たくなるものを!作ることが大切なのです。そのためには、自分のアンテナの感度をどんどん良くしていくことが重要です。テレビを見る、映画を見る、ライブな感覚を磨くために舞台を見る、本を読む、街を歩く、話をする、あらゆる活動が、次の時代の創作に大きな力になります。


OTHERS
その他のメンバーの声

岸 善幸
ディレクター岸 善幸
ここでできること
五鬼助 洋美
プロデューサー五鬼助 洋美
“慣れ”とは無縁。