テレビマンユニオン 2026新人採用 | TV MAN UNION RECRUIT2026
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佐藤 善木

ディレクター 佐藤 善木

1986年、テレビマンユニオンに参加。NHK『ツレがうつになりまして』『玉音放送を作った男たち』等を演出。YTV『怪物』を企画・製作。劇場映画『押切』の監督&脚本を務める。


テレビマンユニオンへの道~私のローグ・ワン・ストーリー

元々映画やドラマが好きで、中でもゴジラやウルトラマンなどのSF特撮モノを愛好していました。勿論怪獣それ自体も好きなのですが、怪獣がいるような非日常の世界だからこそ描けるテーマ性、メッセージ性というものがあるように思い、それに強く魅かれていたんです。

大学では8mm自主映画を撮っていたんですが、新卒の就職試験は全敗してしまい、映像関連の学校に通いながら浪人することにしたんです。丁度テレビマンユニオンの創立者である村木良彦氏が、TBSの大山勝美氏(『ふぞろいの林檎たち』プロデューサー)とメディアワークショップというメディア私塾を創設したので、そこに入ることにしました。
ワークショップに入ったのは、『ふぞろいの林檎たち』の視聴者だったことと、講師として『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』で異色作を監督していた実相寺昭雄氏(ちゃぶ台で胡座をかくメトロン星人の描写が有名)が参加されていたことが理由で、テレビマンユニオンへの関心は、それほど深くはありませんでした。ユニオンというと知的なドキュメンタリーや歴史ドラマの印象が強かったし、僕が好むジャンルとは縁遠い気もしていたしね。
ワークショップ在籍中、ユニオンがゴジラを扱った番組を見たのですが、僕は「ゴジラの解釈が間違っている」 と言って、抗議した記憶があります(笑)。
そんな調子でしたから、ユニオンの採用試験を受ける気はあまりなくて、かといって、どこの会社なら良いというアテもなくて、何か宙ぶらりんにしてたんですけどね。

そんな頃、ユニオンの人と、試験について話す機会があり、僕は「ユニオンの番組は、僕の作りたい番組とは違う気がするし」みたいなことを言っちゃったんですよ。するとその人は「そういうのは、入ったら自分で変えていける会社だと思うよ」と、言ったんですね。
聞けば、ユニオンにはメンバー制という独自の組織形態があり、個々のメンバーの自主性、自立性が尊重されているということで。番組企画についても、自由に提案し、実現させていける土壌があるということでした。
実際、当時ユニオンには、新人メンバーでありながら、小説家デビューして、ラジオ番組を企画・製作していた人がいたんですよ。他の会社では、あまり考えられないことでした。今やっている番組で見るのではなく、これからやっていける可能性というか、創造していける「場」として考えると、とても良い環境ではないかなと、急に思い始めましたね。それで、ユニオンの採用試験を受けることにしたんです。

試験中、僕は「是非、子供番組をやりたいです」と訴え、それが心に止まった試験委員の人もいたらしく、新人として採用されることになりました。もっともその人は、子供番組と聞いて『ポンキッキ』みたいなモノを想像したらしく、それが『ウルトラマン』だとは、思ってもみなかったようですが。だますつもりはなかったですけどね(笑)

入社4年目の冬に、深夜帯でSFホラー・ドラマの企画を実現させ、ドラマ演出デビューをしました。その後、社外業務でしたが、ホラー映画の監督も務めました。
近年でいうと、読売テレビで放送した『怪物』(出演・佐藤浩市、向井理、多部未華子ほか)は、物質をDNAレベルまで分解する処理装置を使って、完全犯罪を目論む男の物語で、自分が目指していたテイストの作品だったと思います。

そう書くと順調そうだけど、「質量ともに、まだまだやり足りない、やり切れていない」という思いでいるのが、実際のところではあります。ただ、入社した時と同じ目標、同じ気持ちでいられることは、この会社の良いところだとは思っています。誰かに「そんなこと考えるのやめろよ」と止められなかった、ということですからね。

一方で、会社の中で、人との交わりの中で、違う可能性を広げていくということもありました。
前に書いた通り、歴史ドラマやドキュメンタリー・ドラマには興味が薄かったんですが、人に頼まれてやってみると、面白いことがわかりましたね。歴史がドラマチックな題材の宝庫であることに気づいたこともあります。そして、ドラマというものには、ジャンルを問わず、何か共通して、通底して求められる要素があり、そこを満たしていく作業においては、歴史ドラマだろうと、怪獣モノだろうと、青春ドラマだろうと、変わりがないことに気づいた、という側面もあります。
2015年にNHKに『玉音放送を作った男たち』(出演・柄本明,原田三枝子、高橋一生ほか)という企画を提案し、実現させたのも、そういう背景があってのことでしょう。
だから今では、ドラマならどんなジャンルでもやりたいという気持ちもありますね。


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