会社のこと
テレビマンユニオンとは
自立した制作者であるために
テレビマンユニオンは、1970年2月25日に創立されました。
「テレビに何が可能か」「私にとってテレビとは何か」を問うために、放送局から離れ、25名の制作者が立ち上げた日本最初の独立系制作プロダクションです。ドラマからドキュメンタリー、クイズ番組まで様々なジャンルで作品を作り、映画や音楽、舞台にも創造の場を広げてきました。
私たちは“自立した制作者”であるために、自らが“経営者”でもあるべきだと考え、制作者自身がテレビマンユニオンの株式を保有する株主となり、
【制作(クリエイティブ)】【経営(マネジメント)】【所有(オーナーシップ)】を自らで担っています。
目指しているのは、制作者のindependence。思想、信条、尊厳、創造の自由を互いに認め合い、尊重する。そうした制作者の集合体=組織を作りたいと考えています。
自分たちの「クリエイティブ」を守るための組織
テレビマンユニオンでは、「メンバー制」という独自のシステムをとっています。メンバーは、年功序列も終身雇用もなく、それぞれが対等な立場で、やりたいことの実現を目指します。また、一年ごとに会社と契約を交わし、報酬も仕事に応じて支払われる出来高システムを採用しています。
それは、プロフェッショナルの集団である(ありたい)からです。
制作者としての自己実現を、少しでも果たせるための環境を創り出す。そのために集まったメンバーですが、「組織を運営するため」の決まり事があります。それが「合議・対等・役割分担」という三原則です。この三原則に基づき、以下のようなルールを決めています。
① 組織運営の方針は、総会を開いて全員で決める
② 社長を含めた代表は、2年に一度、メンバーによる選挙で決定する
③ 仕事は命令されず、自分で選び、自らつくり出すことができる
自分の「制作(クリエイティブ)」をどのように守っていくのか。そのための「組織」はどうあるべきなのか。全員が試行錯誤を繰り返しながら、最良の形を考え続けています。
私たちが最も大切にしていることは、ただ一点。「やりたいことがあること」。
すべては、そこから始まっています。
創立の理念
テレビマンユニオンを創立するにあたって、創立メンバーが、公的に、テレビマンユニオンという組織・集団の理念を発表したことは無かった、と記憶しています。但し、テレビマンユニオンをどういう組織にしたいか、すべきか、という議論は大いにやりました。その中で、まァ、こういうことかな、という感じで受け容れられ、共有してきたものが、創立の理念と言えば言えるでしょうか。それを挙げてみます。
まず、「テレビマンユニオンは、制作者の、制作者による、制作者のための集団・組織である」ということです。
「制作者の」というのは「制作者自身の所有であること」を意味しています。
「制作者による」というのは、その集団を運営するにあたり、番組制作という仕事と平行して、「運営という仕事も自分たちで担う」ということを意味しています。
「制作者のための」というのは、「制作者という職業を遂行するために必要なこと」という意味と「制作者が生活するに足る報酬を得ること」も意味しています。
この理念と共に、もう一つの理念も共有されてきました。それは「合議、対等、役割分担」というものです。
これは、組織内の人間関係についてのものであり、組織を運営するにあたって必要なものです。自分たちの組織において、その人間関係は自由で対等であり、組織運営という仕事を担うことは、制作の仕事を担うのと同等に、自分たちが率先して自らその役割を担っていくべきことなのだ、という理念です。言葉を替えて言うと、組織の運営・経営に関して外部の専門家を招かない、ということになります。
テレビマンユニオンは、組織の代表を全メンバーの投票によって選出しています。テレビマンユニオンの最高意志決定機関は全メンバーが出席する「メンバー総会」です。誤解してならないのは、この決議システムは「より良き経営を目指して採られたものではない」ということです。あくまでも一番の目的は「良き制作の場を創る」ことにあります。
総括すると、テレビマンユニオンのメンバー(制作者)は、制作という仕事をより良く成し遂げるために、組織運営の役割も果たす、ということです。テレビマンユニオンは、参加するメンバーの自主・自立の精神によって支えられる集団なのです。
最高顧問 今野 勉