ヒューマンドキュメンタリー 「僕たちにできること~モンキーマジック~」
モンキーマジックの四人との出会いは、初夏の頃だった。「はじめまして」の挨拶を交わした瞬間に、じわっと伝わってくるものがあった。それをあえて言葉にすれば、「人間のあたたかさ」のようなものだった。いま僕はモンキーマジックを追いかけている。モンキーマジックを追いかける東北の道の途上、沢山の人々に出会ってきた。その一人一人の深いところにある人生のひとかけらひとかけらを受け止めるには、僕は未熟すぎて、心のタンクが溢れそうになる。過去に経験したことの無い怖さと、同時に名伏しがたい胸のたかぶりを味わっている。カメラの先にいる人々の生の一回性/人生のきらめきを映像に定着させるべく、頭と身体の全力を尽くします。 (大西 隼)