新・13の顔を持つ男 その3 「宣伝する人」伊丹十三

大胆に言えば伊丹さんの「もの創り」の原点は「宣伝する人」にある。要は「自分が気に入ったものを、皆さんにも味わってもらいたい」のである。そもそもエッセイからして、そうであった。CMの方は、まさに水を得た魚である。映像を魅力的なものにするには、どこかに「自由な感じ」を入れ込む必要があるのだが、出演している自分が楽しんでいる姿を見せることでそれを表現した。「味の素マヨネーズ」のメイキングCM編のナレーションは、ずばりそれを解説していた。「CMというのは楽しみながら作るということが非常に重要です。スポンサーや商品のイメージを消費者に伝えながらも、作り手が自分自身を失わないこと、このことがCMに自由で楽しい雰囲気を与えるのだと思います」「優れた商品と作り手の個性が溶け合って、非常に自由な雰囲気を作り出しているところにご注目下さい。」キーワードは「自由な雰囲気」、その実例(CMのみならず、自作映画の宣伝、特報など)を満載しながら「宣伝する人」を考察していきます。
(浦谷年良)

放送日
10月13日(土)25:09~
10月20日(土)24:59~
10月31日(水)16:15~

【2013年3月 1~4 一挙再放送】
3月17日(日) 12:30~
3月27日(日) 21:00~
※追加撮影を加えた特別篇として放送いたします。

P&D

浦谷年良

撮影

鈴木正之

企画

宮川朋之(日本映画専門ch)

編成

逆井智紀(日本映画専門ch)