めざせ!2020年のオリンピアン/パラリンピアン 2015年7月「BMX」「女子柔道」
「うちの子、東京オリンピックに出られるかなあ。」
先日取材したネクストエイジのお母さんが、目を細めながら嬉しそうにそう言いました。
もし70年前だったら、この言葉が発せられることはなかったでしょう。
「お前、スパイにならないか?」
足がとにかく速かった私の祖父は、戦時中にそう誘われたそうです。カタカナ語は禁止されていた時代なので、実際は”密偵”とでも言われたのでしょう。四男坊だし跡継ぎでもないし、戸籍を抹消してスパイ養成機関の陸軍中野学校に入らないか…その最中に終戦を迎えました。
「君、うちで走ってくれないか?」
終戦後、祖父に目を付けたのは大学の競争部、今でいう陸上部でした。スパイになりそこねた青年は、1946年の日本選手権5000mで優勝。戦後復活した箱根駅伝では”山登りの岡”と呼ばれます。「醤油屋の息子だから真っ黒だ」炎天下で黒光りする姿がニュース映画に流され、女の子のおっかけまでいたそうです。
時代が時代だったら、番組の主役であるネクストエイジたちも別の道を歩んでいたでしょう。アーチェリーで10cmの的を射抜く青年は射撃手に、トランポリンで7mのジャンプを跳ぶ青年は特殊部隊に、走っても走っても疲れない女の子は伝令に。驚くべき身体能力をもった彼らは、それはそれは重宝されたでしょう。そして母親たちは、人知れず涙を流したことでしょう。オリンピックは平和の祭典、というのは薄っぺらい言葉ではないのです。
時代が時代だったら、私たちも「いかに戦意を煽るか」と試行錯誤しながらプレビューを重ねていたかもしれません。戦後70年。いつも正月になるとテレビの前に陣取り、嬉しそうに駅伝を眺めていた祖父の姿を思い出しながら、「ネクストエイジとオリンピアンの本気をどう伝えるか」に試行錯誤できる幸せを噛みしめたいと思います。
(岡 瑠里子)
2015年7月の放送(テレビマンユニオン担当回)
<<ハンマー投げ>> 「ハンマー室伏が独創理論を16歳に叩き込む!」
BS1 7月13日(月)20:00~20:25
室伏広治 × 服部優允
スタジオゲストは朝原宣治さんです。
<<BMX>> 「自転車BMX カリスマが14歳と一騎打ち」
総合テレビ 7月14日(火)22:55~23:20
阪本章史 × 島田遼選手
7月の放送では、文字通り ”本気のぶつかり”が満載!
14日放送回では北京五輪からオリンピック種目となった新しい競技 BMXを取材。
本場アメリカでNO1に輝いた、日本人唯一のオリンピアン阪本章史選手が登場します。
ネクストエイジは年齢別選手権で日本一の新星、島田遼選手(広島・中3)。
「日本で勝負するんならそれでええけど、世界と戦うならアカン。」
世界に通用する技を伝授するため、中学生相手に手加減なしで”本気のぶつかり”を展開します。
<<女子柔道>> 「柔道無敵の中学生×歴代最強の金メダリスト」
総合テレビ 7月21日(火)22:55~23:20
塚田真希 × 素根輝選手
21日放送回は、女子柔道重量級。
アテネ五輪金メダル、北京五輪銀メダルの塚田真希さんが登場します。
対するのは全国中学校柔道大会の覇者の最強女子中学生 素根輝選手(福岡・中3)。
「ハアハア・・・」息づかいが響く”本気のぶつかり”では、金メダリストが思わず焦る瞬間も・・・
若いネクストエイジは何を感じ、どう変わるのか? お楽しみに!