古代エジプト 愛と野望の女王たち
数ある古代文明の中で、エジプトは他の文明には無い特徴を持っている。それは、女性達が活躍した文明だったということだ。人類は、狩猟採取の時代から、農業を発明し、都市や神殿を築いて、最初の文明を誕生させた。体力や体の大きさ等の理由からなのか、当時の社会で権力を握った者は殆どが男性だった。人類最古の文明と言われるメソポタミア文明では、女性の王が君臨した記録は無い。古代中国でも、唯一の例外として、殷王朝に婦好という皇妃がいただけだ。彼女は、軍の先頭に立って戦ったという記録があるが、王位には就かなかった。マヤ、アステカ、アンデスなどアメリカ大陸の文明でも、シャーマンとしての役割は有ったかも知れないが、女王が君臨した確固たる証拠はまだ見つかっていない。実は、エジプトも、元々は男中心の社会であったことは他の文明と違いは無かった。ファラオと呼ばれる男性の王が国を治めるのが通例だった。しかし、男社会に異を唱えるかのように、独創的な発想で、国を治めようとした女性達が次々に現れている。かの有名な、クレオパトラ(7世)もその1人。そして、男装して王位に就いた女性もいた。彼女たちは、それまでの常識を破る発想で権力を手にし、男性の王とは違う政策で国を発展させた。
番組のナビゲーターは田中麗奈さん。東京国立博物館で現在開催中の特別展を舞台に、ふしぎな体験をしながら古代エジプトの女王たちの人生に迫っていきます。
(佐藤寿一)
再放送のお知らせ
9月13日(日)25:55~26:55 (14日・月曜 1:55~2:55)NHK総合