Zero Waste Life 2022年3月

Zero Waste Life 2022年3月

2021年度前期の「NHK 国際放送局長特賞」に選ばれました。

日本には昔からあらゆるモノには大切な「命」があり、「その命を最後まで生かし尽くす」という叡智が息づいてきた。地球の未来を思いやり、様々な命を慈しみながら暮らしたり活動する人々の魅力を世界へと伝える15分番組。

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数年前の夏に娘と京都へ出かけた際に、面白い絵巻に遭遇した。東山・高台寺所蔵の百鬼夜行絵巻。鬼たちに混じって、お釜や傘・ほうきなどの暮らしの道具が、ユーモラスな妖怪に姿を変えて徘徊している。道具、建物なども年月を経ると精霊が宿り、妖怪、お化けとなって真夜中に独りでに動き出すというのだ。身の回りの品々を大切に扱うと、その妖怪は良い行いをするが、粗雑に扱ったり寿命まで使い尽くさないと、仕返しにやって来るという。何事もそれぞれに宿った命を大切にするように!という戒め。コミカルに「モッタイナイ」精神の神髄を伝える先人の思いに触れられた、愉快な一時だった。
(三田 豊)

今月の放送

#19 More Than Mom’s Hand-me-down「ママたちのリメイク:私の服を子供の服に」 3月4日(金)前10:45~11:00ほか
李叡さんの裁縫教室では、大人の服を子供服へリメイクする方法を学ぶことができる。生徒の多くは子育て中のママ。気に入っているけれどサイズが合わなくなった服や、着なくなったけれど愛着があって処分できない服……。ゴミになりかけていたママたちの服が、可愛い子供服に変身。環境にも家庭にも優しいこの教室は、いつもママと子供たちの笑い声が絶えない。

#20 Back in Black「捨てるなら黒く染めよう」 3月11日(金)前10:45~11:00ほか
染色職人の井澤剛史さんが去年から始めたサービスがある。それは「着古された服を黒く染める」というもの。服がどんなに傷んでいても、汚れていても、真っ黒にしてしまえば気にならない。それどころか、まるで新品のようにさえ見えるのだ。ゴミ箱行きになるはずだった服を「黒い新品」に変身させるこのアイデアは話題となり、いま黒染めは3か月待ちになっている。

#21 Folk House: The Beauty of Age「再生古民家:故きを温めて美しきを知る」 
3月21日(月)前9:10~9:25、14:10~14:25、23:10~23:25
江戸時代の佇まいが残る町で暮らす松場登美さんは、古民家を再生した宿を営む。庭の小道に敷かれているのは、捨てられた煉瓦。洗面所のボウルは、割れた甕を再利用したもの。冬になると、宿の軒先には日本伝統の保存食、干した野菜や果物が吊るされる。その風景にも風情がある。ものを捨てることなく大切にし、丁寧に暮らす。そんな松場さんの美意識が、宿全体を包みこんでいる。

※この番組は放送終了後も、ビデオオンデマンド(外部サイト)でご覧いただけます。

<日本語版放送のお知らせ(NHK BS1 語り 矢部華恵)>
 器を生き返らせる“金継ぎ” (D浅野直広)  2022/3/5(土)前4:00~

 浅草の“おみくじ和紙”   (D小林陽子)  2022/3/5(土)前4:15~ 

 おもちゃドクター     (D岡崎光曜)  2022/3/6(日)前4:00~ 

 雑魚のレストラン     (D浅野直広)  2022/3/6(日)前4:15~ 

 ビニール傘がおしゃれに変身(D桒原拓真)  2022/3/8(火)前4:00~ 

 廃材バイオリンを奏でる  (D伊藤メグミ) 2022/3/8(火)前4:15~ 

 八ヶ岳のエコばあちゃん  (D渡辺裕太)  2022/3/9(水) 前4:00~ 

 ランドセルをいつまでも  (D黒住聡丈)  2022/3/9(水) 前4:15~ 

ディレクター

伊藤メグミ(#19)
岡崎ひかり (#20)
浅野直広 (#21)


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潘志揚

プロデューサー

琢磨修一

プロデューサー

琢磨修一