Zero Waste Life 2022年7月
日本には昔からあらゆるものには大切な「命」があり、その「命を最後まで生かしきる」という思想が連綿と息づいてきた。それはモノの命を慈しむ、まさに「捨てない暮らし」そのもの。モノの命を慈しみながら暮らしを楽しむ人々の素晴らしさを世界に向けて伝える15分番組
===================================
この番組の音楽は、全てこの番組コンセプトに合わせて作曲されたオリジナル曲。
作曲者は笠松泰洋さん。是枝監督の「ワンダフルライフ」や蜷川幸雄演出舞台などを美しい旋律で彩ってきました。番組開始2年目のこの春には、さらに多彩な楽曲を新たに届けてくれました。この調べに導かれて番組は生み出されています。
(三田豊)
今月の放送
英語版 ナレーション ガイ・ペリマン
7月1日(金)前10:45~11:00ほか
#11 A School Bag Forever 思い出のランドセルをいつまでも(再放送)
日本の小学生は皆、ランドセルと呼ばれる鞄を背負って学校に通う。ランドセルは6年間で役目を終えるが、それを大人でも使える小物へとリメイクしてきたのが西川正佐子さんだ。西川さんは依頼者の思い出が詰まったランドセルを丁寧に解体し、縫い合わせて財布やキーホルダーを作る。6年間の思い出が色褪せることなく続いて欲しい──そう願いながら。
7月8日(金)前10:45~11:00ほか
♯27 Tent, Trash, Fashion! 廃棄テントがファッションに
デザイナーの森由美さんは廃棄されてしまうテントの生地から、バッグやジャケットを生み出してきた。テントならではの耐久性を利用しつつ、もともとのデザインをいかしてファッショナブルに仕上げる。実は森さんの頭の中に、ゴミを減らすという意識はあまりない。彼女はただ単に、創作を楽しんでいる。
7月15日(金)前10:45~11:00ほか
♯12 Scrap Can Shine 輝く廃材(再放送)
木上奈都子さんは建築デザイナーであり、アクセサリー作家でもある。建設現場で出るタイルや瓦などの廃材を、ピアスやリングへと生まれ変わらせてきた。洗練されたデザインのアクセサリーは、その全てが、とてもゴミから作られたとは思えない。「人知れず捨てられてしまったものが、誰かのもとで輝きますように」──そんな思いで木上さんはアクセサリーを作り続けている。
7月22日(金)前10:45~11:00ほか
#13 Glass for Life 廃瓶に命を吹きこむ(再放送)
日本列島の最も南にある沖縄。年中温かく観光地として有名なこの地で、100年以上続く工芸が「琉球ガラス」だ。ガラス職人の松本栄さんのこだわりは、原料に飲食店や家庭から廃棄された瓶を使うこと。捨てられたものだからこそ、美しく蘇らせたいのだという。自身の活動が少しでもゴミを減らすことに繋がって欲しいという思いで、今日も鉄竿を吹き続けている。
7月29日(金)前10:45~11:00ほか
#14 A Harvest of Colors 畑から生まれた色彩(再放送)
木村尚子さんが開発した、野菜や果物で作られたクレヨン。もし幼い子供が口に入れてしまっても害がないのが利点だ。ラベルには「赤」や「黄色」ではなく、「りんご」や「長芋」など原料となった農作物の名前が書いてある。原料の多くは規格外のため市場に出せなかったり、廃棄が決まった農作物だ。クレヨンには「どんな農作物も人に愛されて欲しい」という木村さんの思いが詰まっている。
※この番組は放送終了後も、ビデオオンデマンド(外部サイト)でご覧いただけます。
<日本語版「ゼロウェイストライフ」放送のお知らせ NHK BS1 12時~12時15分 (2本とも) 語り 矢部華恵>
7月7日(木)
#7 雑魚のレストラン Zako: Trash Fish is Treasure
和食店を営む甲斐昴成さんは、「雑魚」を中心に料理を提供している。雑魚とは、サイズが小さかったり、食べる習慣が無かったりという理由で、美味しく食べられるにもかかわらず、その大半が捨てられている魚のこと。雑魚を無駄にしたくないと考えた甲斐さんは、その美味しさを謳ったお店をオープン。瞬く間に評判となった。甲斐さんの活動の影響もあり、雑魚の価値が見直され、漁港の市場で売り買いされるようになってきている。
7月8日(金)
#8 廃材バイオリンを奏でる Waste Wood Sonata
塚本義房さん(88歳)は40年以上、古民家の解体現場から出る廃材からバイオリンなど弦楽器を作り続けてきた。廃材を楽器の形に丁寧に削り、約1年をかけて完成させる。廃材などの乾燥した古い木材ほど、線維が緻密になって良い音色が出るという。演奏もする塚本さんの影響で娘や孫も、音楽を嗜んでいる。演奏するときに、“木の喜び”を感じるという塚本さんは、今日も家族とともにハーモニーを奏でている。