週刊ブックレビュー 2012年1月の放送分
<テレビマンユニオン担当回>
2012年1月14日(945号)
司 会 室井滋
滑川和男(NHKアナウンサー)
ゲスト 森岡正博(翻訳家)/星野知子(作家)/いしいしんじ(作家)
特集 福井 春敏
「震災後 こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか」
(小学館)
昨年この誌面に、電子出版・電子書籍の現況をレポートしました。あの時点での最新情報はほぼ網羅したつもりです。でも、どうなんでしょう? 電車の中でiPadなどで読書している人をどれだけ見かけますか? 岩波文庫が新刊の一部を電子化するという話題を聞きましたが、昨年騒がれた程には電子本、あまり普及していない実感を持ちます。電子本の魅力のひとつは、紙の本より安いことです。ただ内田樹さんによると「安ければそっちを買う」という消費者は未成熟な消費者とのこと。自分のお金で本を買おうとする消費者が成熟した消費者の最たるものだとすれば、単に安いということだけでは商品価値になりにくいのかも。難しいんでしょうね、出版の事情は。
(市川 陽)