情熱大陸「アーボリスト(樹護士)松岡秀治」

情熱大陸「アーボリスト(樹護士)松岡秀治」

従事者不足、高齢化、ナラ枯れなど管理不足に由来する悪循環に陥っているという林業の課題。その遠因として経済活動を行政に頼ったままで、民間の活力に乏しく、結果若い人が「夢を持ちにくい」業界になっている、と松岡さんは包み隠さず語ってくれました。それは、これまでうまくいっていたことと、これから変えていかなければいけないことがせめぎ合う、今日本のさまざまな分野で顕在化している大課題と通じているようです。

松岡さんは、「アーボリスト」という新しい専門職だけを肯定するわけでなく、日本に受け継がれる伝統の木登り技術を否定しません。というのもアメリカの世界大会に参加したとき「振り縄」という日本独自の登り方をデモンストレーションすると、拍手喝采を受けた経験があるとか。つまり、松岡さんは「夢」を持てる業界にするのが何より大切だと考えています。訊くと、本人もたくさん夢を設定しそれを一つずつ実現することでステップアップしてきたようです。

こんな印象的な話もしてくれました。「木や森の植物は、根っこが微生物や菌類同士で、枝や葉もお互いに、実はインターネットのようにリンクしている、と最近言われはじめています。僕たちが見えてないだけで、木はたくさんのメッセージを発信しお互いにコミュニケーションしているらしい。『もののけ姫』など宮崎駿先生のシリーズでも、木はヴィヴィットに生きている、という考えが表現されていると思います」。

(下口谷)

演出

下口谷 充
  

ナレーション 

窪田 等

構成 

重乃 康紀

撮影

池村 泰貴
葛原 圭人

音効 

早船 麻季

演出補

桒原 拓真

プロデューサー

中村 卓也(MBS)
下口谷 充