ヤマザキさんは声が大きい。イタリア人の夫とイタリア語で話す時は、もっと大きい。マンガを描く時も、家事でもなんでも、いつも前のめりで、「いまやっていること」に全力を注ぎ、一日の終わりに「ぐあぁー疲れたー！」とソファに突っ伏す姿は、まるでマンガから飛び出したよう・・・。「台と、紙とペンさえあればマンガはどこでも描ける」。17歳で日本を離れて以来、イタリア、ポルトガル、シリア、エジプトと、世界各地を転々としながら漫画を描き続けて来たヤマザキさん。いま、『テルマエ・ロマエ』の500万部突破をきっかけに、『遅咲きの漫画家』は大転機を迎えています。作品のモデルになるのは、古代ローマ史オタクで13歳年下のイタリア人夫を始め、彼女の人種を超えた家族たちの奇妙な行動…。オーバーリアクションでドタバタと世界を駆け巡るヤマザキさんの逞しい姿に、毎日励まされながら取材中です。
（池田一葵）