4月19日よりSTART　※テレビマンユニオン担当回　5月17日（火）　19:00～20:54　（ＶＴＲ制作を担当）

教科書にのってはいないけど、教科書にのせたい！選りすぐりの知識を「国語」「算数」「理科」「社会」「体育」「音楽」など、科目ごとに発表。各分野の地のカリスマたちのトークとともに展開する知的バラエティ。




　「監督は、ガソリンスタンドの使い方をどこで習ったんですか？」
　少し前、ある女優さんから撮影の合間にこんな質問をされた。聞けば、彼女は運転免許を取ったばかりで、車はお気に入りの一台がすでに自宅に届き、いつでも動かせる。試しにエンジンをかけてみたら燃料計の針がE、つまりエンプティに近い状態。ヤバ！そこで女優は考えた。最初のドライブは街道沿いのあのガソリンスタンドに行こう！ しかし女優はこうも考える。そもそもガソリンスタンドで自分は何をすればいいのだろう？教習所では車の基本構造、始業点検、運転技術、交通法規、標識、安全確保といろいろ習ったが、ガソリンスタンドの使い方は習っていない。本をめくったがどこにも書いていない。わざわざ知恵袋に聞いてみるのも恥ずかしい。至極マジメに女優が質問するので、その場に居合わせたスタッフが懸命に応える。確かに自分が初めてガソリンスタンドに行った時のことなど覚えていない。誰から習ったか記憶すらない。その場でハンドルを握る芝居をしながら説明を始める。いいですか、ガソリンスタンドのINの印から入り、ホースがだらっと並んでいる機械の前に車を止め、ミラーをスッと降ろして下さい。もれなく制服のお兄さんがやってきます。あなたは明るく天使の囁きをするのです。「ハイオク、満タン！」はい、これで終わり。あとはすべてお兄さんがやってくれます。お金？お金は、全部作業が済ん だあとに、お兄さんが小さな納品書を持ってやってきます。その金額を払うだけでいいんです。女優は怪訝な顔でさらに聞く。ワタシ降りなくていいの？ 「いいんです！」とスタッフ全員が川平慈英！ そうなのだ、意外と現代を生きる上で必要なことは、教科書にのってなかったりするのだ。この番組は現代の自分たちにとって大切なこととはいったい何だろうと、改めて気づかせてくれる企画なのです。　数日後、はじめてのガソリンスタンドという偉業を成し遂げ、実に晴れ晴れとした輝く笑顔で現れた女優は彼女の次なる人生の目標ともいうべき一言を口にした。「次は『セルフ』！」