おまえなしでは生きていけない ~猫を愛した芸術家の物語~

NHK BSプレミアム
2011年8月17日(水)

19:00~19:59 夏目漱石篇
19:59~20:58 向田邦子篇


【夏目漱石篇】夏目漱石 吾輩は福猫である

 漱石の小説家デビュー作「吾輩は猫である」-日本人ならきっと知らぬ人はいない、近代日本を代表する小説です。英語教師・珍野苦沙弥の家にやってきた黒猫が、苦沙弥先生はじめ珍野家にまつわる人々をばっさばっさと観察・形容していく様は、今読んでも腹を抱えて笑わずにはいられません。実は夏目家には本当に名前のない黒猫がいました。この猫は足の裏まで真っ黒だったことから出入りの按摩師に「福猫」認定されます。痛快な「吾輩〜」の作風とは裏腹に、執筆当時の漱石はロンドン留学後の精神不安定も癒えずどん底の日々を送っていたわけですが⋯その後の漱石の人生は、確かに新たな方向を得ていくことになるのです。この不思議な話を、夏目家の物語と「吾輩〜」の珍野家の物語を交差しながらドラマにします。どうぞお楽しみに。
(宮崎和子)

【向田邦子篇】愛猫だけが見ていた人気脚本家の涙

◆「あたくし、そういう時間はありませんので悪しからず」ピシャリと言って電話は切られた。昭和55年秋、直木賞受賞直後「働く女性」に関してのインタビュー依頼が、向田邦子さんとの最初で最後のコンタクト。◆翌年8月22日、余命2ヶ月と言われた父の病室のテレビで彼女の訃報に接した。意識朦朧の中「すぐ東京に戻らなくていいのか?」と父は言った。(向田さんの葬儀に駆けつけるほど、娘は立派じゃないんだよ、お父さん)1ヵ月後、父は55歳で逝った。◆あれから30年、今やっと向田邦子さんと向き合っている。シナリオ、エッセイ、小説どれをとっても彼女は圧倒的だ。才能にあふれ潔くて格好いいTV界の大先輩。(参っちゃうよなぁ、同時代を生きてたらメチャメチャ嫉妬しただろうなぁ⋯)◆完敗なので、愛猫だけが見た向田さんの別の顔をご紹介する。
合津直枝


<再放送のお知らせ>
【夏目漱石篇】夏目漱石 吾輩は福猫である
NHK BSプレミアム 2022年2月21日(月) 14:44~15:43

出演 (夏目漱石篇)

ドラマ出演      鶴見 辰吾
           佐藤 仁美 他

ドキュメンタリー出演 半藤 一利

スタッフ  (夏目漱石篇)

脚本・演出   田中由美
AD      永田暁児
AP      井坂解子
プロデューサー 宮崎和子
構成      野村安史
撮影      吉田誠
        新垣直哉
VE      高橋慎吾
照明      高坂俊秀
音声      大西光
音響効果    細見浩三

出演  (向田邦子篇)

ミムラ

スタッフ  (向田邦子篇)

演出     斉藤久剛

撮影     舘岡悟
音響効果   四元裕二
AP/AD  堤響子
プロデューサー合津直枝

共通スタッフ

演出補:渡邊貴文/松本壇  制作部:高橋康進/森川雄介   
美術:黒須康雄  小道具:中島順子  衣装:江頭三絵  ヘアメイク:近藤美香   
猫トレーナー:北村まゆみ 

企画 岸善幸/GP 田中直人