BS歴史館 2011年12月~2012年2月放送分

BS歴史館 2011年12月~2012年2月放送分

※テレビマンユニオン担当回

 12月 8日 真珠湾への7日間
      ~日米開戦・外交官たちの苦闘と誤算~
 12月15日 討ち入りは忠義か?反逆か?
      ~忠臣蔵・大石内蔵助と武士道の世界~
  1月26日 シリーズ英雄伝説②「聖徳太子」 
      ~誰もが知っている謎の人~
  2月 2日 (再放送)美しく悲しい女の戦い
      ~王妃たちの朝鮮王朝~
  2月 9日 徹底解剖!!川中島の戦い 
      ~検証 上杉謙信VS武田信玄~

「歴史とは現在と過去との対話である-」
かつてイギリスの著名な歴史家E.H.カーはこう記した。
目まぐるしく変貌する現代社会。政治、経済、文化、ミクロなレベルでは家族、男と女・・・。急速に展開するグローバル化やボーダレス化は、時計の針を猛スピードで進め、現代を生きる私たちはどこに立っているかさえわからなくなる。この時代をどう生き抜けばいいのか・・・明快な答えはない。
しかしひとたび、過去に眼を転じれば、時代時代にまさしく目まぐるしく変わる事象にリアルタイムで向き合い、悩み、格闘した先人たちの等身大の「歴史」がある。

真珠湾への7日間~日米開戦・外交官たちの苦闘と誤算~

12月8日(木) 放送
『ヒーロー』
土曜の昼下がり⋯会社で台本を書いていました。視線を感じたので、振り返ると人懐っこい目が笑いかけていました。
「俺ねー、ウルトラマンマックスやるから、お姉さんはウルトラマンタロウと、ウルトラマンティガと、ウルトラマンセブンと、ウルトラマンキングやってね」
見ると、机の横に手のひらサイズのウルトラマンが勢ぞろいしています。
「え?むりむり、明日から海外ロケやねん!」と思いつつ、(お姉さんと呼ばれた嬉しさもあり)突然あらわれたウルトラマンマックスと、ヒーローごっこをしてしまいました。
ほどなく、同僚があらわれ、4歳の男の子に戻ったウルトラマンマックス。大事そうにウルトラマン御一行をカバンに詰め帰っていく姿を見ていると、自分が幼いころ憧れたヒーローを思い出しました。テレビの中のタカとユウジに悟空にガンバ。ああ、彼らは強くてカッコ良くて優しくて、そして何より『あきらめない心』を持っていたなぁ。
 現在、真夜中の編集室。隣にいる先輩はハナウタを歌いながら本当に楽しそうに仕事をしている。
 四捨五入すると二十歳の後輩も四十歳の先輩も今日は一緒に朝日を拝むだろう。ほとんど接点の無いこのチーム。共通項は『あきらめない心』のみ。あ!テレビの裏側にもヒーローがいた!!!
 とゆうわけで(!?)今回の番組は、日米開戦の裏側で戦争回避を最後まであきらめなかった外交官たちの物語です。 (松川さやか)

演出 松川さやか
   佐野達也
AD 畑中皓太

討ち入りは忠義か?反逆か?~忠臣蔵・大石内蔵助と武士道の世界~

12月15日(木) 放送
大宅壮一はかつて言った。「忠臣蔵を語ることは日本人を語ること」と。
310年前に起こった赤穂浪士の吉良邸討ち入りは、事件直後からさまざまな評価にさらされてきた。見上げた忠誠心である、ただのテロリストである、殿を殺したのは吉良ではなく幕府なのだから敵は幕府である⋯。なかには、江戸中期に「武士のメンツのために親より先に命を捨てるとは、人間としての職分放棄だ」というリベラルな意見をものした他藩の士もいた。
 今回、その各説を調べていくと、現代日本人の組織と個人の関係をも内包している問題だと痛感した。たとえば、社内の不正を内部告発する社員は、社にとっては「不忠」だが、公共の利益にとっては「義」である。となれば、某精密機器メーカーのイギリス人元社長こそ、武士(もののふ)なのかもしれない(?)。
(上野関一朗)

演出   上野関一朗
AD   波入敏彦
リサーチ 山森みゆき

シリーズ英雄伝説②「聖徳太子」 ~誰もが知っている謎の人~

2012年1月26日(木) 放送予定
聖徳太子がテーマ。理想(創作)と現実(実像)が混濁した人なので、ちょっと整理してみます。
 「憲法」と「官位」と「外交」がとにかく有名。世襲政治から能力主義へ、中華朝貢から対等外交へと、理想主義を貫いた人です。
 でもじつは、現実の厳しさに悩んでいた節もあります。最後に残した言葉「世間虚仮(せけんこけ)、唯仏是真(ゆいぶつぜしん)」は、ただ仏しかない、世間は空しいと解釈されます。ひきこもる理想主義者。
 その面影を偲ばせる仏像をご紹介しましょう。広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像。釈迦が亡くなったあと、五十六億七〇〇〇万年後にこの世に理想郷をもたらし、僕らを救ってくれる仏です。もの思いにふける姿は、救済の時まで理想を深く静かに思索しつづけています。もう、お願いしますよ〜厩戸王さん!
高橋才也

演出      中西朋
プロデューサー 高橋才也
リサーチ    成田慈子

美しく悲しい女の戦い~王妃たちの朝鮮王朝~

2012年2月2日(木) ※再放送
 閑話休題『母は偉大なり』
三ヶ月前、引っ越しをしたんです。その際一週間ほど母が手伝いにきてくれました。そして引っ越しも一段落。つい先日。ティッシュペーパーを使い切り、新しいのに交換しようとした時のことでした。
昔と比べてティッシュペーパーの箱ってだいぶんと薄くなったじゃないですか。でも昔に買った『ティッシュペーパーの箱を入れる飾り箱(なんて言うんですかねこれ)』は、昔のティッシュペーパーのサイズに合わせてあるからぶかぶかなんです。ぶかぶかなんですが支障はないのでそのまま使ってたんです。で、先日取り替えようとした⋯。ぶかぶかじゃないんです。あれれ⋯。不思議に思ったらなんと、上げ底がされていたんです。ダック引っ越しセンターのダンボールを器用に切り取り折りたたみ、ぶかぶかじゃないように調節⋯。
おもわず舌をまく、母の偉大さでした。
(佐野達也)

演出   佐野達也
リサーチ 冨田紀子
AD   中村市子
撮影   水野宏重

徹底解剖!!川中島の戦い ~検証 上杉謙信VS武田信玄~

2012年2月9日(木) 放送予定
「上杉謙信て知ってる?」先輩から唐突に電話がかかってきた。馬鹿にしてるのか?「知ってますよ!」しかし、私は全然知らなかった⋯ということを後に知る。「今度、上杉謙信についてやるんだー」と言う度に、周囲の人から語られる面白知識、驚愕の事実。ただのヒゲだるまだった脳内の謙信に、どんどん血が通っていく。謙信を語るならば、やはり武田信玄は外せない。実際に顔を合わせたのはたったの4回。でも彼らはきっと互いを強く意識していたに違いない。自分と等質の力を持った人間というのは、世界にそうはいない。負けたくないけど、簡単に負けられても面白くない。歯ごたえのある敵。ライバル。そういう存在は、突き詰めると生き甲斐になっていたりする。好き嫌いではなく、縁。会社の同期みたいなものかなと思いを馳せつつ、冬の陣、始めます。
(土井晴美)

演出 土井晴美

AP

五鬼助洋美

AD

小山慎介 黒住聡丈

制作統括

上田真理子(NHK)
菊池正浩(NEP)
渡辺圭(NEP)