BS歴史館 2012年8月放送分
「歴史とは現在と過去との対話である-」
かつてイギリスの著名な歴史家E.H.カーはこう記した。
目まぐるしく変貌する現代社会。政治、経済、文化、ミクロなレベルでは家族、男と女・・・。急速に展開するグローバル化やボーダレス化は、時計の針を猛スピードで進め、現代を生きる私たちはどこに立っているかさえわからなくなる。この時代をどう生き抜けばいいのか・・・明快な答えはない。
しかしひとたび、過去に眼を転じれば、時代時代にまさしく目まぐるしく変わる事象にリアルタイムで向き合い、悩み、格闘した先人たちの等身大の「歴史」がある。
2012年8月23日(木) 放送
ここまでわかった!?忍者の真実~乱世の影に忍びあり~
ディレクター 松沢真実
AD 黒住聡丈
リサーチ 成田慈子
「音なく、匂いなく、知名なく、有名もなし、その功、天地造化の如し」 忍術伝書には“姿も見せずに天地を造るかのような偉業を成し遂げる”のが忍者であると記した一文がある。しかし様々な古文書に記されたその実態は、時代の変化と共にその役割を変え、必死に生き抜いてきた忍者たちの“人間くさーい”姿だった―。主人を変えながら“忍術”という自分の技1つで渡り歩く彼ら。悪い職場環境の中で、ひたすら目指す“完全実力主義”の世界…。そこには、現代の「情報戦士」に通じるような、さまざまな葛藤が垣間見える。戦国時代には、貴重な情報の収集者として活躍の場を与えられた彼らは、江戸の太平の時代になると、氷河期を迎える。忍者の技術を途絶えさせないため、忍者同士の情報のネットワークを維持しようとするが、各藩お抱えの「お勤め忍者」は、サラリーマン化し、明治維新をもって廃業となった。近年、忍者の実像をうかがわせる秘蔵古文書が次々に発見されてきた。
そこで今回は滋賀県・甲賀の個人宅で発見した秘蔵資料などから、知られざる「情報戦士たち」の実像に迫る!
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AP
五鬼助洋美
AD
黒住聡丈
畑中皓太
山崎美生
制作統括
村山淳(NHK)
菊池正浩(NEP)
渡辺圭(NEP)