サラメシ 2023年1月
この秋からサラメシでは、NHK地方局とのコラボを進めている。
全国の地方局在籍の若手ディレクターから”地方ならでは!”な企画を募集し、我々が取材した分と合わせて「丸ごと◯◯県スペシャル!」としてOAしていく取り組みだ。
元々はチーフDの一人・石井の、番組が10年超えて何か新しい変化や刺激を・・・というただの思いつき。おまけに、東京ベースでは見つけられない地元局ならではの企画が出てくるに違いない ・・・という、かなりワガママな思いつきだったのだが、結果、北から南からいくつもの企画が寄せられた。
で、いざコラボする地域が決まったとこで局Pから「サラメシってマニュアルないですよね?」との一言。 ・・・たしかにサラメシに演出マニュアルはない。
聞けば、ブラタモリやドキュメント72時間など、NHKのレギュラー番組のいくつかは、初めてのディレクターがスムーズに番組に参加できるよう、演出マニュアル的なモノがあるそうだ。
一子相伝のつもりなど毛頭ないが、サラメシには特筆すべき画作りやギミックの効いた仕掛けもない。仕事とランチを見るだけのごくシンプルな取材モノ・・・言語化しようと思ったこともない。もし外から見て、中井貴一さんのナレーション以外でも特徴ある番組に見えているとしたら、それこそ10年の積み重ねで自然と培われたもので、ますますよく分からない。
思えばだいぶ前、海外へのフォーマット販売のためのマニュアル・・・いわゆる〝バイブル〟の執筆を依頼されたときも四苦八苦した。取材先も向き合う相手も毎回違う。撮り方や関係性の作り方に決まりなどない。そんなの現場に立つディレクター次第じゃん・・・とぐちぐち言いながら筆が進まなかったら、中国の大手動画配信会社からのオファーが流れてしまった。もし上手くいってたら今頃、そこそこの不労所得でウハウハしていたかも知れないが、あとの祭り。
今回、サラメシに参加してもらう新潟局と高松局と宮崎局のディレクター陣には、マニュアルもなくかなり手探りでの作業を強いてしまったかもしれない。でもテレビなんて、作り手の一人一人の個性と優しさのクリエイティブだ。ボクらの思いつきからはじまったこの”一期一会”を少しでも楽しんでほしい。
(松葉直彦)
今月の放送
シーズン12 #31「フレッシュ全開!新入社員スペシャル後編」
1月12日(木)19:30~19:57<関西地方のぞく>/1月15日(日)あさ 8:00~8:23<関西地方のみ>
再放送 1月19日(木)ひる 12:20~12:43
新入社員スペシャル後編!子どものころからの夢を叶え南紀白浜のテーマパークに入社した新入社員。来場者を楽しませるイベント業務に奮闘する日々とパワーの源・社食ランチを拝見!▽中学生の頃から「サラメシ」ファンという社会人1年生から「やっと投稿できました」と一通のメールが番組に。訪ねてみると素敵なお弁当とお仕事に出会えました▽大好評、新人タクシードライバーの「おもいでメシ」は不安の日々に勇気をくれたランチ
シーズン12 #32「社長がシェフ!?▽手の感覚を頼りに」
1月19日(木)19:30~19:57<関西地方のぞく>/1月22日(日)あさ 8:00~8:23<関西地方のみ>
再放送 1月26日(木)ひる 12:20~12:43
工業用計測器メーカー社長の月岡さん。もう一つの顔は社員食堂のシェフ。キッチンも業務用設備で揃え、本格的な料理を提供。社員も楽しみにしているという社長シェフのランチをお届け▽2歳のとき、全盲になった製薬会社に勤める鳥居健人さん。在宅勤務の中、昼食は自炊だ。中学生のとき、母から教わり料理作りを始め、視覚障害で試行錯誤。今では仕事の合間の調理がリフレッシュにもなるという鳥居さんのサラメシを拝見
シーズン12 #33「半年待ちのお弁当!?▽おばあメシから孫メシへ」」
1月26日(木)19:30~19:57<関西地方のぞく>/1月29日(日)あさ 8:00~8:23<関西地方のみ>
再放送 2月2日(木)ひる 12:20~12:43
電機メーカー勤めの金山さんは、元フレンチの料理人。共働きの妻と自分の弁当を作っている。妻が弁当不要の日も誰かに食べてもらいたいと会社の同僚のために弁当づくりを始めた。味や彩りが評判となり、半年待ちの人気に。週1回おひとりさま限定の弁当を拝見▽5年前、番組で祖母のおにぎりを5000個以上食べたという孫の大迫さんを紹介。今、高齢で体力の落ちた祖母のために不慣れな調理に挑んでいる。食を通じた交流をお届け
再放送のお知らせ
シーズン11 #26「京の伝統・提灯(ちょうちん)職人一家 ▽遠距離結婚をつなぐ作り置き」
1月5日(木)ひる12:20~12:43
親方と30代の二人の息子が営む京都の老舗提灯(ちょうちん)店。伝統を守る一方で新しいスタイルにも挑戦し、海外進出も果たした。その立役者が息子の元家庭教師だった青年。一家に請われ老舗の一員に転身、伝統を支えている。職人たちの仕事ぶりとスタミナランチを拝見!▽金沢に暮らす藤田さんは東京で働く夫・大地さんと1年前に遠距離結婚。二人をつなぐのはひと月に一度夫が多忙な妻のために作る1週間分の彩り豊かなおかず
シーズン11 #33「郵便局のカレー▽橋田壽賀子の鉄板焼き」
1月12日(木)ひる12:20~12:43
高知県土佐市。退職した前郵便局長が作るカレーが、後輩の郵便局員たちに好評だ。カレーはもちろん、自ら手作り。ほぼ月イチペースで、みんなの楽しみな昼食になっている。カレーを通じた、心温まる交流とサラメシを拝見!▼「おしん」など、国民的ドラマを生み出した、脚本家・橋田壽賀子。橋田さんが40年近く通った、熱海の鉄板焼き店の店主との交流をお届けします。▼サラメシ海外特派員は、ニューヨークから!
サラメシ英語版
『Lunch On!』
※NHK WORLD 毎週木曜 13:30~、19:30~、金曜 1:30~
160の国と地域で衛星放送やケーブルテレビを通じて視聴可能。
1月 5日 「卸売市場スパイス専門店のまかない」再放送
1月26日 「ビールで町おこし」
ナレーション
中井 貴一
プロデューサー
松葉 直彦 松尾 明美
演出スタッフ
今関 裕子 金井 さおり
石井 大介 田中 ナオト
大沼 奈保子 北沢 建一
森田 遥平 塩田 明里
横川 僚平 薗田 拓郎
呉 卓然 佐藤 優衣
中窪 淳二 中川 雄太
イ スヒョン 米井 あかり
アシスタントプロデューサー
宮﨑 和子
構成
たむらようこ 服部 真由子
リサーチ
冨田 紀子
音効
井田 栄司