食彩の王国 2011年5月
東京ガスのCMシリーズ、「山菜の味」篇、「お父さんのチャーハン」篇、現在放映中の「お弁当メール」篇などが大好評! 「食彩の王国」の番組中CMでしか見られないということもあって、視聴者も楽しみにしているようです。ちょっとボケてきた田舎のお祖母ちゃんと孫娘の残酷な時間の経過を、変わらない山菜の煮付けの味が癒してくれる。嫁入直前の娘と心通わせるお父さんのチャーハンに、年頃の娘がいる私自身も、父親役のきたろうが二重写しになって泣けました。お弁当の蓋を開けた時のおかずの配置をメールに見立てて、多感な時期の息子と会話するお母さんの頑張りは、最後の空の弁当箱に入っていた「ありがとうってずっと言えなくてごめんなさい」という息子のメモで報われる。形を変えれば、誰の胸の内にもある「家族の絆」と、それだからこそ「言えない言葉」。これらのCMが、名作と呼ばれる所以です。「食彩の王国」で紐解く一つ一つの食材に受け継がれてきた物語も、実は、何代にも亘って「家族の絆」が支えてきたと言うことが出来るでしょう。息を吹き込まれた食材が、いきいきと輝きます(土橋正道)