食彩の王国 2011年10月

食彩の王国 2011年10月

  子供時代、駄菓子屋の誘惑は避けて通れない道だった。わずかな小遣いで買うものは質より量。「コッペに○○つけてぇ」と頼むと、四角い缶からマーガリンやジャム、ピーナツバターを選んで、縦に切れ目を入れたコッペにべったりと塗りつけてくれた。「もうちょっと⋯」と言えば「はい、おまけね」っと少しつける真似して緑色のブーブー紙にくるんで渡してくれた。いつから煮ているのか、三角形のこんにゃくをみそ壷に入れたおでん。七輪の鉄板で焼き、花かつおをかけて新聞紙に乗せてくれたお好み焼き。麩菓子、ポン菓子、しるこサンド、前田のクラッカー、渡辺のジュースの素、ダンゴのように串に刺したミニカステラ、透明なガラス棒に入った色とりどりの寒天ゼリー。一気に吸わず、油断してるとツルと滑って地面に落ちる。その絶望感は、この世の終わりだ。色の着いたにっき紙、小さな木箱にミニチュアのように並ぶさくらんぼ餅、毒々しいチクロ棒⋯。思い出せば、そのときの匂いや友達の顔、死んでしまった駄菓子屋のおばちゃんも生き生きと甦る。不衛生だからやめなさいと、親に止められた禁断の味。大人になっても、好きな食べ物には思い出がつきまとう。食材の思い出には、同時代を共に生きた物語が詰まっている。(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

10月のテレビマンユニオン担当回は・・・

≪たまご≫
 昭和の懐かしい流行語「巨人・大鵬・〇〇〇」皆さんはこの〇の中にどんな言葉が入るかわかりますか?
 昭和36年ころに、子供が大好きだったものを3つ並べた言葉です。
 正解は”卵焼き”。
 若手の皆さんは、なかなかピンとこないでしょうが、わかったあなたは、ベテランですね!
 今でこそ、たまごは身近な食財ですが、高度経済成長期には、ヒーローと肩を並べる憧れの食材だったのです。
 今回は、昭和のたまご物語をお届けします。
 (室谷有美)

≪さつまいも≫
 ホックホクで甘~いさつまいもが主役。
 ふかし芋、団子、芋焼酎。工夫いっぱいのさつまいも料理の数々。
 「芋を食べ、芋を飲む」これが鹿児島人の心意気!
 フランス料理の鉄人、坂井宏行シェフは鹿児島県出身。
 さつまいもと少し苦い思い出のあるシェフですが、さつまいも味は誰よりも知っています。
 手がけたさつまいも料理はまさに芸術!
 食欲の秋!さつまいも王国より秋をお届けします。
 (二階堂茜)

放送予定

    OA日       テーマ     担 当

#394 10月 1日 : 大黒さんま    ※Vivia 
#395 10月 8日 : たまご      D岡瑠里子
#396 10月15日 : さつまいも    D三田香織
#397 10月22日 : 秋サバ      ※Vivia 
#398 10月29日 : スイスチーズSP ※Vivia 


プロデューサー

土橋正道

制作プロデューサー

那須恭子

ディレクター

椎葉百合子
井口奈美
植田裕久
三田香織
今関裕子
岡瑠璃子
ほか

アシスタントディレクター

室谷有美
二階堂茜
中村優希