食彩の王国 2013年1月

食彩の王国 2013年1月

「食彩の王国」は、早いもので10年目を迎えました。ありがとうございます。
毎回、一つの食材がたどってきた物語をひもとく番組。レポーターなし、スタジオなし、番組中で料理は食べさせない、と、ないない尽くしでやってきました。ストイックに「食材」を主人公にしてきたことが、異色の番組として評価をいただいてきたようです。
また、視聴者に根付いてきたスローフードの精神や、食の安全を考えるという生き方の変化に支えられてきたことは言うまでもありません。
しかし、実のところ「旬の食材をいただいて健康に生きる」という考え方は、つい最近まであたりまえのことだったのです。と言うと、「つちはしさん、つい最近って、もう半世紀もまえのことですよ!」とスタッフにたしなめられて唖然としますが、まだその記憶が人々に残っているということです。日本の津々浦々に食材を取り巻く暮らしが残っているうちに、大切なことを伝え続けたいと考えています。番組を支え続けてくださっている皆様に、心から感謝申し上げます。(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

1月のテレビマンユニオン担当回は・・・

≪はんぺん≫

「お弁当にはんぺん入れてね」って、母に頼んだ、遠足の前日。おでんでは、最初と最後に
はんぺんを食べるのが、好き。白いふわふわが好きなのに・・・
しぞーかおでんのはんぺんは、なんと黒いはんぺん。鰯や鯖などの青魚をすり身にして作るんです。
しかも、ふわふわな食感はありません。同じ「はんぺん」だけど、違う「はんぺん」。
その秘密は、形にありました。昔、はんぺんは半月型でした。そこから、はんぺんという名になったとか。
フランスには、レストランにも家庭にも欠かせない、「クネル」と呼ばれる、料理があります。
白身魚をすって作るのこの料理は、はんぺんにそっくり。フランスでもはんぺんは大活躍です。
安くて、美味しい、子供たちも大好きなはんぺんは、たんぱく質も豊富なため、お母さんたちの味方。
体も心温まる、はんぺんの物語を紐解きます。
(二階堂 茜)


≪ 白菜 ≫

「美味しい感覚」は、年齢によって変わるのだと感じた一つに「鍋」がある。
冬になると夕飯の「鍋」の回数が増えた。「野菜も沢山食べられて、体に良い!」
母親の決め台詞は子供心に腹が立った。栄養があるのかないのか分からないのに、大量に鍋に入る白菜に飽き飽きした…鍋に欠かせない白菜の歴史を紐解いてみる。
明治時代に中国から伝わっており、意外や日本での歴史は浅い。雪に閉ざされた東北で、人々が育んだ白菜の歴史。
農家を助ける為 白菜の研究に取り組んだ作家宮沢賢治の一面。寒さの厳しい東北で、人々が白菜に託した希望の種…。
白菜が日本人の馴染み深い野菜となった秘密を紐解きます。
30代を目前に感じる鍋の旨味。味覚が変わったのか、なんなのか…白菜の魅力と共に思索中です。
(吉田夕日)

放送予定

OA日          テーマ         担 当

#458  1月 5日  : 土佐あかうし    ※Vivia
#459  1月12日  : スパイススペシャル ※Vivia          
#460  1月19日  : はんぺん      植田裕久
#461  1月26日  : 白菜        室谷有美     

土橋正道

制作P

那須恭子

三田香織
岡瑠里子
植田裕久
室谷有美
吉田夕日
田中 徹

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二階堂茜