食彩の王国 2014年5月
「久しぶりにウサギが獲れたぞ!」という山暮らしの達人Tの声を聞いて、乗鞍高原へ行ってきた。「クマが獲れた時に食いに来るのはわかるが、ウサギが獲れたくらいで食べに来るんだから好きなもんだ」と嬉しそうだった。本当に旨いものとは、その時そこに行かないと食べられないものだ。野ウサギの小腸は細くて長く、竹串にらせん状に巻き付けて炙って食べると最高。ほんのり効いた塩味で、柔らかいのにこりこりとした食感があって脂の野性味がたまらない。肉はぶつ切りにして、大根と一緒に味噌煮にする。骨から肉を齧り取ってたべるのだが、歯ごたえがあって肉の旨味がしっかりと舌に伝わる奥深い味わい。食べた後の骨で、もう一度出汁を取って煮物を作りしゃぶり尽くす。この旨味をなんと表現したらいいんだろう。幸せを感じる味わいとでも言うのだろうか。さて、みなさんにとって旨いものってなんですか。「食彩の王国」は、日本の津々浦々の食文化を紐解き続けます。
(土橋正道)
語り
薬師丸ひろ子
5月のテレビマンユニオン担当回は・・・
#527 5/10 アオリイカ 「三浦半島 初夏の贈りもの イカの王様アオリイカ」
静まり返る夜の築地を、一際慎重に一台の車が通ります。カーブは念入りに、ブレーキも優しくゆっくりと…。国賓級の手厚い配慮で登場するのは、時の大統領――ではなく、イカの王様・アオリイカ!王様という肩書きに反してこのイカ、実はとっても繊細。急ブレーキに当てられ一度墨を吐けば、自分の墨に驚いて死んでしまう始末。一方価格は立派に王様級!今日も分厚い皮の処理に苦戦する、料理人のすすり泣きが聞こえてきます。
さぞかし敬遠される食材かと思えば、ねっちりとした食感と極上の甘みで玄人の料理欲を駆り立てる、魅惑の煽りイカです。
(前夷里枝)
#529 5/24 シロエビ 「富山湾の宝石 シロエビ」(仮)
富山湾の宝石の味「シロエビ」。
体調6cm-8cmと小粒のエビで、水揚げ直後は透明なピンク色、火を通したり、時間を経ると文字通りの白色になります。
日本近海に広く分布しているものの、漁が成立するほどにたくさんの分布が見られるのは富山湾だけ。
近年流通方法が確立されるまでは、ごくごく限られた地元の人だけが味わえるものでした。
その味わいはとろりとした舌ざわりに、小さいながらもコクのある上品な甘さで、剥き身は刺身に、カラつきのままから揚げに、すり身をすまし汁にと、さまざまに食されています。
地元富山の人気フレンチのお店や、都内の創作イタリアンのお店では、どんなシロエビが味わえるのか!?ご期待ください!!
(浜田玲)
放送予定
OA日 テーマ 担 当
#526 5月 3日 : そら豆 ※VIVIA
#527 5月10日 : アオリイカ 徳丸あす香
#528 5月17日 : ベーコン ※VIVIA
#529 5月24日 : シロエビ 阿部賢実
#530 5月31日 : 長芋 ※VIVIA
P
土橋正道
D
吉田夕日
田中由美
阿部賢実
徳丸あす香
三田香織
植田裕久
下高呂佳子
リサーチ
北口由子
AD
二階堂茜
前夷里枝
浜田玲