食彩の王国 2014年12月

食彩の王国 2014年12月

 最近、おもしろい食べ物を知った。新潟県見附市のメダカの佃煮だ。メダカと聞いて、一瞬耳を疑った。なにか、別の川魚の地方名ではないか。興味をひかれたので、食べに行ってきた。これがメダカだという瓶詰めには、「うるめの田舎煮」と書いてある。ほら、うるめじゃないかと思ったら、メダカを食料として扱うときはうるめと呼ぶそうだ。手に取ってみると醤油でしっかり煮てあるので、全体は鼈甲色で腹の辺りが白く見える。目をこらすと本当にメダカだ。食べてみると、ほろ苦くて甘味も感じる。日本酒の肴にぴったり。舌には苦い後味が残って酒がすすむ。かつて新潟では、田の害虫ウンカを食べてくれるので大切にされてきたそうだ。そのウンカが苦味の素。秋も深まり、ほろ苦さが丁度よくなったころ大量に取って佃煮にして、冬の保存食にしてきたという。黒メダカが田にいなくなった今、観賞用の緋メダカを養殖して作っているのだとか。美智子皇后が来られた時、弁当のおかずの一つとして出されたメダカを見て、「これは絶滅危惧種ではありませんか?」と聞かれたそうだ。田の事情は変わっても、食文化は残る。「日本人は何をたべてきたのか」を探る旅はまだまだ続く。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    OA日        テーマ        担 当

#556 12月 6日 :   にんじん      ※VIVIA
#557 12月13日 :   あんこう      植田裕久
#558 12月20日 :   甘鯛        ※VIVIA
#559 12月27日 :   もち        吉田夕日

12月のテレビマンユニオン担当回は・・・ 

《あんこう》 下関発!フグに負けない旨さ 鍋の人気者あんこう物語(仮)  
  
鍋の人気食材「あんこう」が主役です。ユーモラスな姿とは裏腹に美味しさは比類なし。
肉厚な身の唐揚げはプリプリ、濃厚なあん肝は“海のフォアグラ”とも呼ばれています。
ビタミンやコラーゲンもたっぷりで、栄養満点!
あんこうの水揚げ日本一は、意外なことに下関!しかし、フグで有名な下関の人にとっては、馴染みのない魚でした。
そこで、あんこうをもうひとつの名物にしようと立ち上がった料理人たち。
試行錯誤の末、完成したあんこうの名物料理とは!?
寒い季節、身も心も温めてくれる「あんこう」の物語をお届けします。
(二階堂 茜)

《もち》 新年もよいお年を! 神様からの贈物(仮)
     
「いくつ食べる?1つ?2つ?」新年の朝、台所から華やいだ声が交わされる、餅!
つきたての餅の滑らかな舌触りに上品な甘味、芳醇な香りはやみつきです!
正月馴染みの雑煮は地方によって千差万別、具材、出汁、餅の調理法、様々なバリエーションの雑煮があり、中にはくるみのタレ付きの雑煮、餡餅が入った雑煮など驚きの雑煮
にも出会います。(馴染みが無いとギョッとしますが、食べると大変美味)
知られざる各地の雑煮から、驚きのもちイタリアンまで追跡します。お楽しみに!
(前夷 里枝)              

プロデューサー

土橋正道

ディレクター

吉田夕日
田中由美
徳丸あす香
阿部賢実
植田裕久
下高呂佳子
三田香織
ほか

 ほか

リサーチ

北口由子

アシスタントディレクター

二階堂茜
前夷里枝