食彩の王国 2015年1月

食彩の王国 2015年1月

 最近、おもしろい食べ物を知った。新潟県見附市のメダカの佃煮だ。メダカと聞いて、一瞬耳を疑った。なにか、別の川魚の地方名ではないか。興味をひかれたので、食べに行ってきた。これがメダカだという瓶詰めには、「うるめの田舎煮」と書いてある。ほら、うるめじゃないかと思ったら、メダカを食料として扱うときはうるめと呼ぶそうだ。手に取ってみると醤油でしっかり煮てあるので、全体は鼈甲色で腹の辺りが白く見える。目をこらすと本当にメダカだ。食べてみると、ほろ苦くて甘味も感じる。日本酒の肴にぴったり。舌には苦い後味が残って酒がすすむ。かつて新潟では、田の害虫ウンカを食べてくれるので大切にされてきたそうだ。そのウンカが苦味の素。秋も深まり、ほろ苦さが丁度よくなったころ大量に取って佃煮にして、冬の保存食にしてきたという。黒メダカが田にいなくなった今、観賞用の緋メダカを養殖して作っているのだとか。美智子皇后が来られた時、弁当のおかずの一つとして出されたメダカを見て、「これは絶滅危惧種ではありませんか?」と聞かれたそうだ。田の事情は変わっても、食文化は残る。「日本人は何をたべてきたのか」を探る旅はまだまだ続く。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    OA日     テーマ   担 当

#560 1月10日 : 海苔    ※VIVIA
#561 1月17日 : 京大根   植田裕久
#562 1月24日 : 鱈     ※VIVIA
#563 1月31日 : マダコ   阿部賢実

1月のテレビマンユニオン担当回は・・・ 

《京大根》  「 ほっこり アツアツ 鍋の花形 京都だいこん物語 」

イメージしてみてください。痛いほど寒〜い冬の夜、熱燗の横にホクホクのおでん。
そこにはどんな具が入ってますか?きっと大根は欠かせないはず!
今回は、冬に大人気の大根が主役です。
舞台は、京都。
実は大根は京野菜の中でも特に種類が多いのです。よく名前を聞くのが聖護院大根。
とても甘く、煮崩れしないのでおでんにピッタリ! その他に、桃山、佐波賀、辛味、青味、
茎など形もサイズも用途も様々な大根があり、更に雑煮専用の大根まで作り出していました。
ちょっとディープな京都の大根をみて土曜の朝、ほっこり暖まってみませんか?
(徳丸 あす香)


《マダコ》  「 冬が旬!絶品の味わい いすみの真ダコ物語  」(仮)

冬の千葉で、旬を迎えた絶品の「真ダコ」を発見!
地元の美味しいタコを知ってもらいたいと、立ち上がったお母さん達。
愛情たっぷりの「タコ飯」は、大人気です!そこには古くからタコを愛してきた日本人の歴史がありました。
更に、タコを食べている国は世界中でもほんのわずかしかないとご存知ですか?
その中で、イタリアではタコを美味しく柔らかくするおまじないがありました。
柔らかくなるまで煮込んだら、サラダやパスタに!漁師料理として楽しまれています。
冬にひっぱりだこのタコの物語をお送りします。
(二階堂 茜)

プロデューサー

土橋正道

ディレクター

吉田夕日
田中由美
徳丸あす香
阿部賢実
植田裕久
下高呂佳子
三田香織
ほか

 ほか

リサーチ

北口由子

アシスタントディレクター

二階堂茜
前夷里枝