食彩の王国 2015年7月
子どもの頃、よく夕飯の買い物に行かされた。醤油や油、味噌、酒などは量り売り。豆腐も鍋を持って買いに行った。八百屋ではおじさんが樽のヘリに乗って、X字型の棒を力ずくに前後させてさつまいもを洗うのが面白い。かつては乾物屋があり、煮干、ちりめんじゃこ、棒鱈、身欠きにしん、スルメ、干し海老、鰹節、板昆布、干しわかめ、切干大根、干瓢、干ししいたけ、芋がら、鷹の爪、乾麺、高野豆腐、寒天、小豆、大豆、落花生などを扱っていた。思い浮かべるだけで、その一つずつに思い出の味が甦る。味噌汁の出汁を取った煮干も食べたことや、もう削れないほど小さくなった鰹節をしゃぶった味、薄いお好み焼きの干し海老の匂いなど・・・。お使いのために預かった50円玉をドブに落とし、泣く泣く探して拾い上げたこともある。「懐かしいものが旨い!」。食材の物語は、その共鳴の中にある。
(土橋正道)
語り
薬師丸ひろ子
放送予定
OA日 テーマ 担 当
#585 7月 4日 : 鮎 前夷里枝
#586 7月11日 : なす ※VIVIA
#587 7月18日 : 烏賊 田中由美
#588 7月25日 : レタス ※VIVIA
7月のテレビマンユニオン担当回は・・・
《アユ》「夏の京都を彩る 清流の女王アユ」
夏の京都といえば、やっぱりアユ!清流の女王と呼ばれるアユは、その涼しげな風貌から、様々な意匠に使われ和菓子の世界でも清涼感が楽しまれています。
京都の奥座敷、貴船では涼を求めてやってきた人々に、待ちにまった鮎料理が振舞われていました。塩焼きは、やっぱり絶品!皮はカリッと香ばしく中はしっとり、鮎の香りがふわっと香ります。さらに錦市場でも、山椒煮や小アユを使ったから揚げなどまさにアユ三昧!そして奥山では木桶でアユを運ぶナゾの集団を発見!
今回はアユの文化が花開く夏の京都を舞台に、二つの川、桂川と鴨川のアユを巡る物語です。
(神定 美穂)
《イカ》「イカ大国日本!夏を知らせる美味しいイカ」(仮)
日本人の大好きな「イカ」。今回の舞台は山形県。
海に面した酒田市で夏に釣れるスルメイカは「夏イカ」と呼ばれ、育ち盛りの いまがとっても美味!港で働くお母さんたちのパワーの源もイカです。料理コンクールで賞を取った豆腐とイカで作る、簡単アイディア料理とは!?また、干したスルメイカは最上川を遡り内陸の山形市へ運ばれていました。今でもゲソ天そばや、ゲソラーメンが大流行り。さらに、スルメイカを使った幻の婚礼料理を発見!
旬を迎えるイカの奥深い世界を紐解きます。
(二階堂 茜)
プロデューサー
土橋正道
ディレクター
田中由美
徳丸あす香
前夷里枝
三田香織
阿部賢実
植田裕久
ほか
リサーチ
北口由子
アシスタントディレクター
二階堂茜
神定美穂