食彩の王国 2018年2月の放送
「食彩の王国」のプロデューサーなら、美味しい店をたくさん知っているでしょ?と、よく聞かれる。知らないと言うと相手はいぶかしむが、ほとんどどの店にも行ったことがない。名だたる料理人の方々には、番組でお世話になるばかりで済みません。
「食彩の王国」は、放送700回を超えて15年目に入った。生産者の熱意や、愛情、伝統料理の知恵、また西洋料理との融合。やがて食材が浮き彫りになり、火が温め、調味料が加えられ、料理されていく過程そのものが味わいとして視聴者に届けられる。
それを可能にしてくれたのは、薬師丸ひろ子さんのナレーションだ。録音二日前に渡した原稿を、誰にでも優しく届ける表現に読み込んでくる。日本語を大切に、丁寧な言葉遣いで話す。録音前には、必ず本人を含めて言葉遣いの修正をする。
次に、若いデイレクターたちの熱意だ。ADを1~2年経験すると、ディレクターデビューする。そして二年ほど経つと、別番組に巣立っていく。駆け出しのディレクターが、ベテランに負けじと新鮮な目で調査し、現在を生きる目線で食材に取り組む。その新陳代謝がエネルギーを生んできた。
そして、いつの頃からか台本を薬師丸さんに届けるとき、取材中の思いや編集の苦労をしたためた手紙を同封するようになった。アナブースでそっと慰められているディレクターもいるほどだ。
自分がディレクターの頃は、料理店にはテレビの取材と告げずにまず食べに行った。食べて味わい、店の日常を見てから、改めて取材のお願いをする。それを鉄則にしていたので、今は用がなければ有名店にも行かない。早く家に帰って、40年ほど連れ添った妻の手料理で一杯やりたい。家庭の味わいを大切にするというのも番組の柱なので、料理人のみなさんごめんなさい。
(土橋正道)
語り
薬師丸ひろ子
放送予定
O.A. テーマ 担当ディレクター
#716 2月 3日 サバ ※VIVIA
#717 2月24日 東京地産地消SP(5)江戸前海苔 植田裕久
2月のテレビマンユニオン担当回は・・・
#717 地産地消SP・海苔
月一で産地の美味しい食材を食べられる、オイシイ番組「食彩の王国」。
三國清三シェフの東京地産地消スペシャルシリーズも早や第5弾。今回の舞台は千葉沿岸の東京湾。千葉県に住んで30年余り…、名産といえば落花生や梨などしか知りませんでしたが、木更津の広大な干潟で育てる黒いダイヤの絨毯があったのです!ということで今回取り上げる食材は、日本人には欠かすことの出来ない食材“海苔”です!実は千葉県は有明海に次いで海苔の生産量第2位の名産地。川が多く流れ込む東京湾には、海苔の養殖に必要なリンや窒素の栄養満点!ひときわ香り高く、江戸前の料理人たちに愛されてきました。しかし、ヨーロッパでは昔から黒い食材は忌み嫌われてきました。その海苔を三國清三シェフは、フレンチでどんな料理に仕立てるのでしょうか?そして西洋人をとりこにすることはできるのか。乞うご期待です!
(間宮圭次郎)
プロデューサー
土橋正道
アシスタントプロデューサー
平田早季
ディレクター
細村舞衣
植田裕久
河野あや子
田中由美
鴨下満
間宮圭次郎
橋村知曉
橋本倫
前夷里枝
徳丸あす香
アドバイサー
吉田夕日
アシスタントディレクター
鴨下満
間宮圭次郎
島越翔平