食彩の王国 2018年6月の放送
食べるものでは、何が一番好き? 肉、それとも魚、野菜?と聞かれても困る。美味しさは食べ物にあるわけではなく、料理法や、食べた時に感じる舌とのマッチングによって決まるからだ。味覚は、おふくろの味によって刷り込まれる。卵焼きや味噌汁、肉じゃが、カレー、漬物など、幼少期に味わったものを思い出させる料理には自然に心が動く。また、何かの祝いに親しい人と食卓を囲むのか、たった一人で味わうのか、苦労の末に手に入れた獲物を食べるというような特別さにも左右される。歳をとれば美食ではなく、懐かしい食べ物に惹かれるのはそのせいだ。食べ物そのものは、全て先人たちの知恵や努力の結晶なので、それぞれに持ち味があって味わい深い。肉や魚の美味しさは、主に脂の旨みだ。肉で言えば差しがあり、魚は脂が乗っているという。脂身が肉と一緒に咀嚼される時、旨いと感じるのだ。そのような感覚を視聴者と共有することで、「食彩の王国」が見えてくる。これからも、食材と人のおいしい関係に分け入りたい。
(土橋正道)
語り
薬師丸ひろ子
放送予定
O.A. テーマ 担当ディレクター
#731 6月 2日 いわし 細村舞衣
#732 6月 9日 山菜 鴨下満
#733 6月16日 金目鯛 ※VIVIA
#734 6月23日 ホタテ貝 ※VIVIA
#735 6月30日 高原レタス 間宮圭次郎
6月のテレビマンユニオン担当回は・・・
#731 いわし
昭和中期、かつて国内最高の漁獲高を誇った千葉県銚子のイワシ漁。しかし、不漁にあえいでいた。
そんな中、生まれたのが「イワシ予報官」。いつどの海域にイワシの大群が現れるかを予想する仕事だ。
男は冷たくあしらわれようとも、来る日も来る日もなりふり構わず情報を求め漁師のもとへ足を運んだ。そして、銚子のイワシを全国へ広めたい一心でみるみるうちにこの世界へのめり込んでいった。「イワシ予報官」の調査と予報とは?己の人生を捧げた“ミスターイワシ”の物語、必見です!
(中村朱里)
#732 山菜
山はとにかく恐ろしい。時に自然の厳しさを見せつけてくる。日常とかかけ離れた異界ともいうべき山の霊的な力を獲得しようと、人々は修験道に勤しんできた。彼らの癒しは“山のもの”と呼ばれる山菜。豊かな山からもたらされる、この時期にしか得られない恵みだ。
霊峰・月山のふもと、山菜専門の老舗宿の若主人は、もっと多くの人に山菜の魅力を知ってもらいたいと智恵を絞った。向かった先は山形のイタリアンの名店。実は、イタリアンの巨匠とは、知られざるつながりがあった。和洋の料理法が出会って山菜新時代の幕が切って落とされた。
(島越翔平)
#735 高原レタス
「土を大切にすれば、いいレタスがとれる」
そう語る男の奥には雄大に広がる浅間山。長野県軽井沢、午前4時半頃深い霧とともにレタス農家の朝は始まる。一つ一つ丁寧に刈りとられ、市場へ出荷される自慢のレタスは軽井沢の宝物と言っても過言ではない。一口食べるとシャキシャキ感はもちろん、適度な苦みと深い甘さが口の中いっぱいに広がる。軽井沢を避暑地にした外国の宣教師などから伝えられた西洋野菜。そこに標高が高く寒暖差の大きな土地柄が味方した。しかもよく発生する霧の下で育つため、しっとり甘い。
レタスなんてどこも同じだろう?そう思っているあなた!レタス農家の深い愛に感謝すること間違いなしです。
(中村朱里)
プロデューサー
土橋正道
アシスタントプロデューサー
平田早季
ディレクター
細村舞衣
植田裕久
河野あや子
田中由美
橋村知曉
橋本倫
徳丸あす香
鴨下満
間宮圭次郎
アドバイサー
吉田夕日
アシスタントディレクター
島越翔平
中村朱里