食彩の王国 2018年12月の放送
食欲の秋は、きのこが彩りを添えます。「匂いマツタケ、味シメジ(ホンシメジ)」と言いますが、香りを上位に置いてきたところが日本人らしいところかもしれません。この二つ、菌根菌に分類され、まわりに樹木がないと育ちません。マツタケはアカマツの根に絡みついて栄養や成長の刺激を与え、マツタケもアカマツから必要な栄養を採るという言わば共生関係です。そのため人工栽培は出来ず、長く高嶺の花として君臨してきたというわけです。高嶺といえば、マツタケは高山などではツガやコメツガにも生えてきます。長野県の乗鞍高原は標高1500m、ここでいただくツガに生えたマツタケは、指で押すとぎゅっと身が固く、香りがとても強いのです。網の上で焼き松茸が身をよじり、肌からプツっと樹液のような汁が滲めば食べごろ。いい香りとともに、至福の時が訪れます。「食彩の王国」は16年目に入りました。まだまだ知らないことが沢山あります。これからもご一緒に、四季それぞれの美味と暮らしを探って行きましょう。
(土橋正道)
語り
薬師丸ひろ子
放送予定
O.A. テーマ 担当ディレクター
#757 12月 1日 鮭 鴨下満
#758 12月 8日 花豆 ※VIVIA
#759 12月15日 アンコウ 岡本拓也
#760 12月22日 京都の牛肉 ※VIVIA
12月のテレビマンユニオン担当回は・・・
#757 鮭
山形県遊佐町。この時期、日本海に接した地元の人々はサケの到来に喜びにわく。
「よく帰ってきたなぁ」
孵化場で働く人たちは米粒サイズで大海に飛び出し、立派に成長して戻ってきたサケにそんな声をかける。そんな山形のサケ、実は遠く離れた北海道で幻のサケとしてもてはやされているらしい。山形の人は複雑な思いを抱かずにはいられない。そんな中、一人の男が立ち上がった。サケを愛する男が織りなす山形と北海道の友情物語、必見です。
(島越 翔平)
#759 アンコウ
冬の味覚の王者「アンコウ」。全ての部位が食べられることから「七つ道具」と呼ばれています。中でも濃厚な「あん肝」はまるでフォアグラのような口溶け。昔ながらの味を守り続けている元漁師の大森博之さんに、茨城の郷土料理「どぶ汁」を作っていただきます。さらに、アンコウ鍋の店「山翠」では水戸光圀公が食べたと言われる黄門料理”供酢”に、足が早くなかなか生では食べられないという珍しい「アンコウ寿司」も登場。さらに「あん肝」に魅せられた二人の料理人たちの友情物語にも注目です。
(中村 朱里)
アドバイサー
吉田夕日
アドバイサー
吉田夕日