食彩の王国 2022年8月の放送
「夏が来れば思い出す」
ネコの額ほどの庭だが、手入れをすれば驚くほど汗が流れる。塩分を補給して、水を飲め、涼しいところで休めというが、食材の生産現場ではそうもいくまい。世界中の生産者が暑さに耐え、我々の食を支えてくれていることがありがたい。消費者物価指数は上がるばかりだが、誰にも幸せは訪れない。ロシアがウクライナに仕掛けた戦争が諸悪の根源だが、景気低迷が続く日本には大打撃だ。夏は同時に、敗戦当時を思い起こさせる。戦争は経験しなかったが、食糧難のことは思い出す。上野、新宿、渋谷などのガード下には手足を失った傷痍軍人が座り込み、アコーディオンなどを弾いて物乞いしていた。全身白ずくめで包帯を巻く、その異形が目を引いた。同じ場所を行き交う、買い出し、配給、食べるためだけに右往左往する大人の姿を覚えている。穀物の一大産地・ウクライナにも、やがて都会では同じ情景が繰り返されることだろう。戦争がない世界へ導く、人類の英知に期待したい。
(土橋正道)
DVD「食彩の王国 日本の四季」
ポニーキャニオンより好評発売中!
(C)2019テレビ朝日・テレビマンユニオン・テレビ朝日映像
語り
薬師丸ひろ子
放送予定
O.A. テーマ 担当ディレクター
#941 8月 6日 とうもろこし 植田裕久
#942 8月13日 チーズ ※テレビ朝日映像
#943 8月20日 トマト 鴨下満
#944 8月27日 伊勢マダイ ※テレビ朝日映像
#941 とうもろこし
暑い夏!この時期に旬を迎えるのが甘いトウモロコシ!
山梨県・甲府市でトウモロコシの収穫をしているのは、農家の菊島建さんと跡継ぎの和秀さんです。菊島さんたちが育てているミルフィーユという品種は、メロンよりも甘く最高糖度は20度以上!しかし、和秀さんは、ある問題に気が付きます。それは実入りのばらつき…もっと実入りが良くコクが増すように育てたい。そこでたどり着いた決め手がなんと、ぬかみそ!
そんな菊島さん親子のミルフィーユを使って、地元のイタリアンシェフが新作に挑戦。皮やヒゲなど、トウロモコシを活かした料理は必見です!
(菰田)
#943 トマト
夏を乗り切る、旬の野菜と言えば…トマト。今日の主役は真っ赤な宝石・トマトです。
今回は千葉県船橋市を舞台に、おいしいトマト作りに懸ける三須一生さんと美智子さん夫婦の物語を紹介します。船橋市は、人口密集地で農作物を育てる「都市農業」が盛んな土地。三須さんご夫婦も住宅街の一画でトマトを育てています。トマトの苗を植えるのは、土ではなくヤシガラでできた培地です。土を使わずに育てる養液栽培は、一般的な農法で起きてしまう害虫被害や連作障害が少なく、病気になりにくい健康なトマトが育つそうです。
フレンチの匠・河野シェフが作る驚きのアイディア料理も必見です!
(徐)
アシスタントディレクター
菰田ゆり乃 徐子豪
アシスタントディレクター
菰田ゆり乃 徐子豪