遠くへ行きたい 2016年1月の放送
「遠くへ行きたい」のディスカバージャパン!日本再発見というが、そもそも日本は解釈が難しい。七五三では神参り、クリスマスを楽しみ、正月は初詣に行く。古来、日本では豊かな風土に恵まれ「自然」の中に神を見出してきた。各地の神社では漂着神を祀るところも多い。七福神は宝船に乗って海の向こうからやって来るが、神も、ヒンドゥーや道教、そして仏教も呉越同舟だ。懐が深い八百万信仰は、仏教も受け入れ現世利益を願ったが、やがて死後の世界観を委ねた。新しいものを取り入れ、日本のものとして再生しあたりまえのように接している。そして不思議に思わない。田の神を掘り出して誘い、足を洗って招き入れて饗応し、床の間に置いた米俵で休んでもらうという所作が伝わる地方もある。一年の締めくくりに「ばかやろー!」と叫びながら神社に詣でて厄を払うところもある。一家の主が若水を汲み、神に供え、自身で雑煮を作り家族に振舞う風習もある。ところ変われば品変わる。日本をつぶさに見て歩く旅は、発見の連続ということになる。46年目の「遠くへ行きたい」はさらにおもしろい!
(土橋正道)