傘寿を迎えても毎日ジム通い！の元気な母が肺炎をこじらせ、様子を見がてら、故郷の金沢に春、夏、秋と帰省した。目的は「母の顔を見るだけ」の、ちょっとした小旅行気分である。先日、車窓を眺めながら、「この景色、見たことあるなあ。」と思い、気がついた。
それはかつて、画家の安野光雅さんが「遠くへ行きたい」の為に提供してくれた、春夏秋冬の里山の風景画とそっくりなのであった。
時代を超えて、時速260kmで走る新幹線の中、同じ景色を「美しい」と切り取り、心に焼き付ける不思議。
時代のスピードを楽しみながら、変わらない日本の良さを探し求める、欲ばりな旅心。　知らない町を歩きながら、そんな旅を重ねていきたい。
（森　明子）

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