久しぶりに旅にでようかなあ、と地図を広げる。目がいくのは、若い頃ロケでお世話になった方が暮らす土地ばかり。皆さんお元気かな？会いたい顔ばかりが浮かんで旅先が決まらない。「遠くへ行きたい」でも、まずは旅人に「どこに行きたいですか？」と尋ねるが、なかなか旅先が決まらないことも。そんな時は「どんな旅がしてみたいですか？」と質問を変えてみる。「熊を食べたい」「漁師になりたい」など、意外な答えが返ってきて面白い。そんな中「知らない町を歩いてみたい」と言った旅人がいた。ご存じ、番組テーマ曲の歌詞である。その土地をゆっくり歩く旅がしたいという。旅先の景色や町の様子を、もっと見せたほうがよいのでは？旅のテンポを少し緩めてはどうか？と思案していた私の気持ちを見透かすような言葉だった。「旅に出よう！」と気分が高まりそうな春。旅に対する人々の想いはこの数年で変わったのか？春の旅を楽しみながら考えてみよう。
（森明子）

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