世界ウルルン滞在記 みんな元気に!復活スペシャル

世界ウルルン滞在記 みんな元気に!復活スペシャル

番組は放送が終わって、また新たに何かを生む。
 取材中に別の企画を思いつくこともある、番組が発展して次の番組を生むこともある。2年半前終了した『世界ウルルン滞在記』は放送番組という枠を超えて何かを生み出してしまったようだ、人々の心の中に。
 俳優向井理さんがもう一度カンボジアに行きたがっているという話しが僕に聞こえてきたのは1年ほど前だった。ウルルンに出たくてタレントを目指した彼がカンボジアの荒地を開墾して畑作りを手伝ったのは2007年だった。荒地の一帯は地雷原で開墾するためには地雷をとりのぞかなければならなかった。2日前にも地雷を撤去していた村人が地雷にふれ、亡くなっていた。あれから4年、向井さんを取り巻く環境は激変した。デビューしたての若者は今や最もコマーシャルの依頼が多い俳優に成長したのだ。その向井さんがカンボジアの家族に会いたがっていた。それもウルルンとして。地雷撤去の仕事をしていた「お父さん」は無事だろうか、畑のマンゴーは育っただろうか。
 向井さんの思いをきっかけに『世界ウルルン滞在記』はスペシャルとして甦った。『ウルルン』が再開するらしいという噂が流れ、沢山のプロダクションから期待していた、出したいタレントがいる、終わったときは残念だった、という声が寄せられた。現金な気もしないではないがともかく応援の声はありがたい。『ウルルン』が如何にいろいろな人々から愛されていたか、今更ながら気づかされている。 600回を超えるウルルンの中にはお世話になった向こうの家族と今も互いに行き来し、つき合っている俳優さんもいる。もはや番組は関係ない。文化も人種も宗教もこえた人と人との交流なのだ。インターネットが同じ思いの人々を結びつけ、「ネット革命」が起こる時代に古いメディアと言われ始めたテレビが結びつけたのは心と心だったのだ。
 ウルルンはまた向井理さんや小栗旬さん、妻夫木聡さん、桐谷健太さん、高良健吾さんたち今活躍している多くの俳優が巣立っていった。「芸能界での将来を不安がった」小栗さん、2日目からピアスをはずした妻夫木さん、インドに着いた日に自分の荷物を紛失してしまった高良さん、今でも楽屋でウルルンのことを語るという。新人の登竜門みたいな性格もあった。「だから」再開が期待されていたのだ。
 今回のスペシャルはウルルンから「飛び出していった」、ウルルンに「出たかった」「出したかった」人たちの特集。久々の「こころ」と「こころ」の出会いです、ご期待ください。
(白井 博)

司会

佐藤隆太
倉科カナ

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徳光和夫

ナレーション

下條アトム

レポーター

向井理
内山理名
堀井新太

ゲスト

津川雅彦
堀北真希

チーフプロデューサー

白井博
北野弘(MBS)

プロデューサー

藤村恵子
生尾典之

海外プロデューサー

高田好子
津田環

総合演出

宇都浩一郎

演出

河原剛
鈴木隆司
東考育

演出補

中村典和
池田一葵
橋村知暁 他

リサーチ

伊藤暢子