ドキュメンタリーWAVE 私が日本に残る理由 ~大震災・あるバングラデシュ人の日々~

NHK BS1
2011年8月20日(土)00:00~00:49(金曜 24:00~)
再放送8月21日(日)18:00~18:49

東日本大震災で、全国の在日外国人の8分の1が帰国した。
そんな中、 被災したにも関わらず、被災地に留まり、復興の手助けをする決意をした外国人たちがいる。
被災者と共に瓦礫の撤去をする者、避難所を開設するも者・・・。
大使館や母国の家族が毎日のように帰国を促しても、彼らの心は変わらなかった。彼らを突き動かすものとは何か。
番組ではあるバングラディシュ人を主人公に、外国人の目に映った震災、日本の人々との間に築かれた絆、復興への道のりを描く。

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青いビニールシート、200円。
これはバングラデシュ南部の村で、ずっと村人たちが大切にしている「日本がくれた」ものです。4年前、バングラデシュは巨大サイクロンに襲われ、大波が家をさらい、多くの人が亡くなりました。その時、彼らは日本から支援物資で贈られたこのビニールシートで、雨風をしのぎました。家は水没を免れ、子どもたちの命が救われた、と言うのです。ボロボロになった青いシートは、今も大事に軒先や屋根に飾られています。
今年3月、日本の震災を知ったこの村の人たちは、日本のために募金活動を行いました。彼らの年収は一万円にも届きません。それなのに一日の収入を全て募金した人、貯金箱のおこづかいを全部入れた男の子、こうした人たちが何十人と現れたのです。話を聞いてみると、誰かの為にやってあげた、という気持ちは一切ありませんでした。かつて助けてくれた、もう会うこともない日本人に思いを届けたいだけだったのです。バングラデシュ滞在中、私を日本人だと知ると、みんなが日本の心配をして、励ましてくれました。この温かい気持ちを、自分だけで消化してしまいたくないと思いながら、私はまだ何もできないでいるのです。
(池田一葵)

語り

池脇千鶴

ディレクター

東考育

プロデューサー

國分禎雄

AD&AP

池田一葵

CAM

伊藤加奈子
中林清一

協力

高田好子