こんなに長く海外のロケができなくなるとは、コロナ感染者が初めて国内で確認された一年余前、誰が予想したでしょう。「世界ふしぎ発見！」は去年の春、ロックダウン寸前のハワイロケ以来、誰も海外に行けない現状です。それでも、番組を毎週放送できているのは「リモート取材」のおかげです。レポーターもスタッフも渡航せずに、現地のスタッフに撮影してもらう方法です。綿密な事前打ち合わせをした上でお任せのものから、日本にいるディレクターがまるで現場にいるかのように指示できるようなタイプまで、様々です。長年、一緒に「ふしぎ発見！」を作って来た優秀なコーディネーターさんたち。それぞれの個性があり、またその国の通信事情によって様々な「リモート取材」のシステムを作ってくれました。そんな中、驚くべき進化を遂げているのが、イタリアのm&m社のシステムです。一部企業秘密もあるそうなので詳しくは書けませんが、日本にいるディレクターがリアルタイムで現場に指示が出せます。スタジオ収録のサブとフロアーをイメージして下さい。ディレクターはサブからインカムで、FDやカメラマンに指示を出し演出します。それと同じことが、ネットを通し日本とイタリアの間でできるのです。現場を取り仕切るFDに相当するのが、優秀なコーディネーターさんです。撮った映像もサブにいるように日本で見られます。でも、いくら優秀でも通信状態が悪ければお手上げなのでは。ところが！ マンホールの中などは、50mのLANケーブルを這わせてくれたそうです。こんなに完璧だと、コロナ禍が終わっても日本から行く必要がなくなるのではと心配するくらいです。
（佐藤寿一）

司会　　　　　　　草野仁
レギュラー解答者　黒柳徹子　野々村真
アシスタント　　　出水麻衣（ＴＢＳアナウンサー）